2025.12.17

追い求めた「オーセンティック」の道中で見えてきたもの──社長×副社長が振り返る、クラシコムの歩み(9)2025年版社史

書き手 長谷川 賢人
写真 木村 文平
追い求めた「オーセンティック」の道中で見えてきたもの──社長×副社長が振り返る、クラシコムの歩み(9)2025年版社史

2025年、クラシコムはグループ連結売上高84.9億円、前年比21.1%増という高成長を記録しました。さらに公式アプリ500万ダウンロード、エンゲージメントアカウント約1000万、YouTube登録者は100万人超えと、数値面でも切り良く爽快です。

多彩なコラボレーションも展開しました。アーバンリサーチが展開するコンセプトショップ「かぐれ」、老舗テーブルウェアブランドの「Noritake」、代表的な北欧食器ブランド「ARABIA」などのコラボは成功を収め、まさに「絶好調」といえる1年でしょう。

かぐれコラボ フレンチリネンのテーラードジャケット
Noritakeコラボ グリーンの野ばらのカップ&ソーサー、ケーキ皿

しかし、青木と佐藤の二人が振り返るのは、それらの成果の裏側にある地道な積み重ねでした。10年来のシステムリプレース、データと感性の融合、外部パートナーとの協働関係の深化。そして、何よりも「オーセンティック」という言葉に象徴される、クラシコムの「実態と見え方」を一致させ続けることへのこだわり。

上場から3年、創業から19年。クラシコムはオーセンティックを体現し得る存在に少しでも近づいたのか。二人との対話から見えてきたのは、本物であり続けるための終わりなき探求でした。

2025年の主なできごと

10年越しの構想が実現した、システム改革の意味

高成長を見せた売上や数字面に加えて、この1年を象徴するもう一つの数字がありました。96名、パートタイマーを含む従業員数です。そして、正社員数は94名で昨年から変化していません。佐藤は「人数が変わらずに売上が伸びているというのは、やはり全体的な効率化が進んでいることの表れだと思います」と分析します。

まさに、この「効率化」こそが、2025年度における大きなテーマでした。その中核にあったのが、長年の懸案事項だったシステム改革だったのです。青木が「2025年で最も大きな変化だった」と位置づけるのは、ソニックガーデン社との業務提携を形にし、エンジニアリング体制の強化を実現したことでした。

現在のクラシコム取締役CTO・倉貫義人が社外取締役に就任したのが2018年。実に7年をかけて、ようやく「理想的な形が整った」と言います。エンジニアチームを安定させ、より多くのことを同時にできる体制を作る。「長年の課題だった」と青木は振り返ります。

青木:
「実は、これまで10年近く土台になっていたのが、2016年くらいに当時在籍していたエンジニアが作ってくれたシステム。さすがにいろいろと限界が来ていて……」

システムは作ったそばから古くなっていきます。最新の状態を保つだけでも、相応のリソースが必要です。そのため、ここ数年はほとんどのエンジニアリソースを既存システムのメンテナンスに割かざるを得ず、新しい機能の追加も、なかなか実現できない状態が続いていました。システムが新しくなったことで、以前なら1年がかりだった開発が、1ヶ月程度で可能になりつつあるのです。

青木:
「たとえば、お客様が購入後にご自身でキャンセルできる機能や、返品手続きもできる機能が実装できました。『あった方が当然いいよね』と思えるような便利なもの、お客様にもっと楽しんでもらえるための機能を今後実現していきます。それから、お客様向けだけでなく、従業員向けのシステムも大きく改善しています。エンハンスできる保守性の高いシステムに置き換わり、各部署の仕事も相当にラクになったはず。まだまだ効率化できるところはたくさんありますが、少しずつ発展しているところです」

物流周りも、システムから設備まで大きく変わっています。以前なら、大型コラボ商品が短期間に数万個売れると、物流が追いつかずに販売を一時的に止めるといった対応が必要でした。しかし今は、お客様にご案内する最短お届け日が自動的に調整される仕組みができ、そうした緊急対応がほとんどなくなったのです。

佐藤:
「あくまで私から見えている景色の話ではあるのですが、すてきなものをお客さまに届けようと思っても、結局はシステムや物流がなければ、何にも届けられないんです。だからこそ、商品開発やコンテンツだけでなく、クラシコムに関わる全方位の人たちが、それぞれの仕事でクリエイティビティを発揮してくれているから今があると思っています。

全ての機能を担う部門、そしてあらゆる職種のスタッフが、お互いに感謝し、リスペクトし合う必要もあります。それによって、特に商品やコンテンツに関しては、従来よりも『より良いものを作りたい、届けたい、知らせたい』とギリギリまで”粘る”時間が生まれていると思うんです」

システム改革。それは単なる技術的な更新ではなく、クラシコム全体の働き方や価値の届け方を変える、大きな転換点だったのです。

「続けてきたからこそ」見えた景色

「北欧、暮らしの道具店」のPodcast番組「チャポンと行こう!」は、2025年で8年目を迎えました。

青木:
「今はPodcastを始めるのがすごく簡単になりましたよね。僕も今年の4月から『考えすぎフラグメンツ』を更新していて、聞いてくださる方も増えています。でも、始めやすいからこそ、たくさんの人がスタートしてみるけれど、多くは続かない。そんな中で『チャポンと行こう!』を7〜8年間続けてきた意義はあると思います」

ラジオ局による番組スピンオフやオリジナル番組をはじめ、芸能人や文化人も次々に参入。Podcastの番組数が増えるなかであっても、「チャポンと行こう!」の再生回数は2,000万回を超え、着実に積み上がっています。ただ、10年近く続けてきたからこその葛藤もありました。

佐藤:
「チャポラーさん(※『チャポンと行こう!』リスナーの愛称)からの期待値があって、それに応え続けたいと思う一方で、自分たちの状況も刻々と変わっているんです。当然に話の内容も変わってきたのですが、次の10周年を迎えた時、どういう心境で臨めるのか。今、チームでもこれからの『チャポンと行こう!』の在り方についてよく話していますね」

求められる期待に、意識的に応え続けること。それは、落語家や漫才師が同じ演目を何度も磨き続けるような、あるいはミュージシャンが人気曲を何百回とライブで演奏するような難しさがあります。自分たちの変化と、リスナーの期待値。その両方に誠実であるためにも、「『チャポンと行こう!』は自己表現ではなくお客様とのコミュニケーションであり提供するコンテンツである」という認識を合わせるためのチューニングを、佐藤たちは常に続けていると話します。

2025年度は、コンテンツ制作においてもう一つの大きな節目がありました。YouTubeチャンネル登録者数が100万人を突破したのです。

佐藤:
「『あさってのモノサシ』というYouTube番組も好評で伸び続けていて、2025年中は高山なおみさんや内田也哉子さんといった方々にも出演していただきました。出演オファーだけでなく、向こうから『ぜひ出たい』と言ってくださるケースも増えています。コンテンツに出てくださる方の顔ぶれは、この1年でもまた変わってきた感じがありますね。それも、長く続けてきたことの積み重ねだと思います」

商品企画の進化を支える、データと感性の融合

「2年ぐらい前まで、正直、新商品や新企画を生み出すだけでは、成長し続けられる自信が持てなかったんです」——佐藤が率直にそう語るのは、上場直後の時期を振り返ってのことです。

新しいお客様を増やす活動にしても、買いたいと思ってもらえる魅力的な企画であっても、単発的な取り組みでは効果は限定的です。いかにそれらを「出し続けるのか」「磨き続けるのか」。その状況を変える転機となったのは、肌感覚だけに頼らない意思決定のサポート体制が整備され出したことです。特に大きいのは、経営陣の近くで数値分析を担当するメンバーが充実してきたことでした。

青木:
「データを蓄積できる分析基盤が備えられたこと、それを使う動機や好奇心を持った人がいること、そしてそれを客観的に分析して忖度なく伝えてくれる人がいること。この3つが全部揃った、という感じですね」

佐藤:
「私自身も、これまで数値と感性を行き来しながら判断はしてきました。でも、より分析的に見られるようになったことで、自分でもチームでも、新たな発想が生まれるようになったんです」

たとえば、どの価格帯の商品が、ロイヤルティの高い顧客に響きやすいのか。初回購入者やミドル層の方々にはどういった商品が喜ばれるのか……従来通りに「動機のある商品開発」は大切にしながらも、データ分析を掛け合わせ再現性や思考の解像度を高めながら、さらに「動機を編集」する。「今、そこにクリエイティビティが求められる時期が来ています」と佐藤。

佐藤:
「全体会議などでも青木と一緒に社員へ語りかけることで、みんなの認識も薄皮を積み重ねるように少しずつ変わっているように感じます。データを活用する組織開発と、さらにデータに基づく動機のクリエイティブ。この2本柱が、売り上げを変えてきたと思います。今は、まるで『スイミー』の魚たちみたいに、『北欧、暮らしの道具店』という一つの人格をみんなで作るという意識が、広がりつつあるように感じています。」

青木:
「私たちは何者なのか。その『私たち』を全員で体現するということが、効率よく、かつ質の高いものを作ることにつながっているのかなと思います」

データと感性の融合。それは、クラシコムの商品企画における大きな進化であり、同時に組織全体の成熟を示すものでもありました。

「本物になりたい」という思いは創業から変わらない

2024年度版社史でも青木が語ったように、近年のクラシコムにとってのキーワードが「オーセンティック」です。かつてのクラシコムが、状況への対応力や時流を捉える力を「うまい」と周囲から評されてきた一方で、そこから進んで「正統」や「本物」といわれる存在になるためには、どうすべきなのか──。

2025年のある日、その問いに佐藤は一つの光を見たようです。ある打ち合わせから帰る電車の中で、佐藤はしみじみと考えていました。クラシコムと商品を共同開発することに決めたそのブランドは、基本的に自社ファクトリーを持っている企業としかコラボレーションをしない方針をとっています。しかし、クラシコムはそうではありません。彼らにとって「前例がない」にも関わらず、前向きに臨んでくれている。この状況を、どう捉えるのか。

佐藤:
「私は、ブランドとして尊敬されるようになることが、オーセンティックになるということだと、ついこの間まで思っていたんです。でも、違いました。私たちは『クラシコムと組まないと成し得ないことがある』と思っていただける存在に少しずつ近づけているのかもしれない。これこそ、オーセンティックの意味することに含まれているのではないかと考えました」

ERIKO YAMAGUCHI、かぐれ、Noritake、ARABIAといった多彩なコラボレーション商品の数々も、その考えを裏打ちする実績だったといえるでしょう。佐藤は、この考えに至ったことで、さらなるクラシコムの「伸びしろ」を感じたと声を弾ませます。

青木:
「僕らは、何かのふりをしようとしたことは一度もないですから。もちろん、色々なところを参考にしたり、テクニックを学んだりすることはたくさんあります。でも、本当は違うのに何かのように見せようとしたことはない。僕らが自分たちの見え方を気にする時は、いつも実態とズレている時なんですよ」

実態よりもよく見えている時は、それを実態に合わせる。実態の方が良いのに見え方が追いついていない時は、見え方を引き上げる。その往復を、ずっと続けてきました。「だからこそ結果論として、オーセンティックになっていくものだ」と青木も言葉を重ねます。

佐藤:
「チャーミングではありたいと思います。でも、『私たちなんて』みたいな謙遜に頼ることはしなくても良いのかもしれないです」

誠実であること。正直であること。実態と見え方を一致させ続けること。何かのふりをしないこと……あらゆる要素が組み合わさるなかで、本物としての状態のまま成長していくこと。クラシコムの考える「オーセンティック」はシンプルなようで、しかし困難な道のりです。佐藤は「私たちなりの本物になりたい、という思いは創業から変わらない」と言います。わずかずつ、次なるクラシコムの輪郭が見えてきた1年でもあったのです。

10周年を迎えたブランドソリューションの継続力

2025年、ブランドソリューションは10周年を迎えました。10月に開催された記念イベントは、青木にとって非常に印象的なものだったと言います。売上規模も堅実に成長を続けてきましたが、何よりも「事業としての中身」が立ち上げ当初とは全く異なってきました。

クライアント企業担当者約90名を招待した、BRAND SOLUTION 10周年記念イベント

青木:
「何が違うのか。それは、クライアント企業からの蓄積された信頼でした。ブランドソリューション10周年イベントでも、名だたる企業の要職者が壇上に立って、クラシコムのブランドソリューションについて良さを語ってくださる。立ち上げた10年前には想像もつかなかったことで、感慨深いですね」

なぜ、ブランドソリューションは10年続けることができたのか。青木は、こう分析します。

青木:
「結局のところ、基礎にある本質的な能力が必要なんですね。読む人がどういうものを面白いと感じるか、どういうものが欲しいと思うのか……そういうことに対する理解の深さがある人たちであり、なおかつ長くそれに携わってる人が多い組織だからこそ、この状況を作り上げることができたのだと思います」

クラシコムには、メディアとしての「北欧、暮らしの道具店」を長く運営してきた蓄積がありました。読者理解、コンテンツ制作力、そして外部パートナーを含めた協働体制。それらすべてが長年かけて築かれてきたからこそ、ブランドソリューションという事業も継続できたのです。

青木は「事業規模や成長速度という点においてはより高い成績を残す他社も数々あると思いますが、私たちと関わったり、外から観察した多くの人から『良い事業だな』と思ってもらえるという意味においては、かなり卓越したものになった」と振り返ります。ブランドソリューションの10年は、誰もがその価値を認めるサービスへと成長した軌跡でした。長い時間をかけて、クラシコムはまた一つの「本物」を作り上げたのです。

クラシコムの外側に築かれた「もう一つの境界線」

「北欧、暮らしの道具店」はクラシコム社員だけで形づくられているわけではありません。コンテンツ制作に携わるクリエイターやスタイリスト、商品開発に携わる企業など、多くの外部パートナーがいます。そして、彼らは単なる外注先としてではなく、クラシコムの価値観を共有しながら動いてくれている、と青木は言います。

青木:
「この1〜2年で、クラシコムの社員という枠の外側に、協力パートナーというもう一つの境界線ができてきた感じがあるんです。みんながクラシコムのやり方を理解してくれていて、そのやり方で一緒に仕事をすることを厭わない方たちの存在があり、いつでも連携できる関係が築けています」

なぜ、そのような関係が築けるのか。ある映像関係のパートナーは、佐藤にこう語ったそうです。「発注されてる感じがしないんです。フィードバックを、単なる指示だと思わない。興味を持って関与していて、その興味が強く伝わってくるから、こちらも自分事として取り組めるんです」──。

佐藤:
「スタイリストさんの中には、関わった商品の売れ行きをすごく気にしてくださる方もいます。どの部署においても、外部の方が同じように自分事化してくださるのが、すごくありがたいですし、クラシコムの特徴だと思います」

この関係性は、オペレーション部門でも同様でした。コールセンター業務を担うパートナーとは、人手が足りない時には柔軟に対応する一方で、できそうなことがあれば共に業務を広げていく。物流を担うパートナーとも、課題があれば一緒に現場に行き、必要であればクラシコム側が投資して生産性を上げる。海外の開発チームとも、単なる発注先としてではなく、メンバー同士が関係性を築けるよう頻繁に行き来を重ねています。

青木:
「どこでも関係値を作ることを大切にしてきました。トップ同士だけでなく、実際に仕事をしてくれている人と、クラシコムメンバーがちゃんと関係を作れる必要があります。経緯やコンテキストを理解してくれた上で、自分事として一緒に臨んでくれる人たち。そういう人たちが、場合によっては社員と同じくらい深く理解し合えていることもあります」

この「もう一つの境界線」の存在は、クラシコムの成長を支える要素になっていました。社員数を大きく増やさずに事業を拡大できているのは、システムやAIによる効率化だけではありません。外部のパートナーたちが、クラシコムの価値観を理解し、コンテキストを共有し、自分事として動いてくれる。その協働体制があるからこそ、可能になっているのです。

海外という「次の10年」の可能性

2025年8月からクラシコムは海外向けのInstagramアカウントを試験的に開始しました。英語圏向け、台湾向け、韓国向けの3アカウントを作り、わずか2〜3ヶ月で合計30万フォロワーに到達しました。掲載コンテンツは、翻訳や字幕は付けていてもローカライズはしていません。日本のアカウントとほぼそのまま、それでも反響がある状況に「普遍性」を感じさせます。

青木:
「一番大切なのは、投げかけるコンテンツをお客様が歓迎するかどうか。歓迎されないなら、それ以降の全てがつながりません。でも、普段から作っているものに字幕つけるだけで好意的に受けいれられるなら、後に残るのはテクニカルな話とリソースの課題だけです」

1年後なのか、10年後なのか。それは分かりません。しかしながら、海外という新しい可能性の扉は、確かに開き始めていました。その可能性を現実とする構想の一つが、クラシコムとしてのフラッグシップ店舗のオープンです。

佐藤:
「訪日観光客の方々が増えている今、海外向けマーケティングの一丁目一番地は、国内の店舗をつくることかもしれません。海外からいらっしゃった方が足を運びたくなり、案内できることの価値を思うと、実店舗の意味は大きいですよね」

具体的な場所や規模は……まだ全然決まっていません。でも、「いつかこういう素敵なオフィスを構えたい」と、かつての二人が北欧を訪れた時に抱いた憧れのように、ずっと温めてきた想いの一つが現実味を帯びてきたともいえます。

かつて、ブランドソリューションを始めた時も、映像制作を始めた時も同じです。最初は誰と話せばいいかも分からなかった。それでも、コツコツと続けていくうちに、協力者が現れて、一緒に扉を開いてくれました。「海外展開もきっとそうなっていくだろう」と二人は考えているようでした。

20周年に向けて……時間を超えて残るものを

「もちろん来年度のことも考えていますが、大きな流れとしては、再来年を見据えています」——佐藤がそう語るのは、2027年9月に迎える「北欧、暮らしの道具店」の20周年のことです。

佐藤:
「私も、いろんな先人が分けてくださった情報や感性に影響を受けて今があります。もしかしたら、今の私たちをそういう対象として見てくださっている方がいるかもしれない。そう思った時に、その人たちの手に残り続ける、物体となるようなコンテンツを、20周年のタイミングで作りたいんです」

ウェブ上やアプリ上ではない、形として残るもの。それが20年後、30年後に、誰かの棚に残っている……そんなものを作れたらと、佐藤は考えています。

佐藤:
「単にその時を盛り上げるために作るのではなく、時間を超えて残るもの。そういう時間軸で、今いろいろなことを考えています」

そして、コンテンツ面でも新しい挑戦が始まっています。

佐藤:
「新しいドラマ作品を企画しています。今の自分の感覚、『北欧、暮らしの道具店』に込めていきたい価値観を、作品として表現しきってみたい。それを見ていただければ分かる、というものにしたいんです。自分の心の源泉には、いつも『誰かの心を動かすこと、心に残ることをやりたい』という想いが強くありますから」

2025年度は、数々の「絶好調」な数字に彩られた1年でした。でも、二人が本当に大切にしているのは、数字の裏側にあるものだったといえます。システムを整え、データと感性を融合させ、外部パートナーと深く協働する。そして何より、実態と見え方を一致させ続けることで開ける「オーセンティック」への道。それは、ゴールのない旅です。

今、その熱意は「時間を超えて残る価値」を作ることにも注がれ始めました。本物になりたいと願い続けること。そして、本物であり続けようとすること。20周年と、その先へ。クラシコムの探求は続きます。

■2025年おもなできごと
2月
「あさってのモノサシ」内田也哉子さん篇 公開
3月
かぐれコラボジャケット発売
4月
入社式
「考えすぎフラグメンツ」スタート
YouTubeチャンネル登録者100万人突破
6月
新撮影スタジオ開設
8月
BRAND SOLUTION 10周年記念イベント開催
「クラシ手帳」累計発行100万部突破
・海外向けInstagramスタート
9月
ソニックガーデンとの資本業務提携を締結
アプリ500万DL、エンゲージメントアカウントは1000万突破
段ボール等パッケージをリニューアル
Noritakeコラボレーション第二弾発売
「あさってのモノサシ」高山なおみさん篇 公開
10月
ARABIAコラボ Pomonaシリーズ世界先行発売
12月
foufou 千駄ヶ谷にフラッグシップストアオープン
BRAND SOLUTION CiiKと協業、「それでも、美味いもん。」専属エージェンシー契約

■クラシコムの歩み(社史)
第1回:2006年〜2010年「北欧、暮らしの道具店」が生まれるまで
第2回:2011年〜2015年 ネットショップからECメディア
第3回:2015年〜2019年  オリジナルコンテンツへの挑戦
第4回:2020年 映像制作とアプリがもたらす新たな実り
第5回:2021年 「ライフカルチャープラットフォーム」としての進化
第6回:2022年 株式上場という「新たな手段」が可能性を広げる
第7回:2023年 成熟を信じ、成熟に支えられ、新たな「3つの期待」を胸に進む
第8回:2024年 トランスフォームが起きていった、新オフィス1年目のこと