*1 定価消化率:プロパー消化率のこと。そのシーズンに定価(正規価格)で売れた商品の比率。数字が高いほど定価で販売できたということ。 各数字は2023年7月期が対象。
■ 生産数1型「数千枚」を自社EC1店舗のみで販売、定価消化率95%を実現
当社のオリジナルアパレルの主要ブランドは「日常(KURASHI)のなかに、ひとさじの非日常(Trips)を」をテーマとした「KURASHI & Trips PUBLISHING(クラシアンドトリップス パブリッシング)」です。2021年からは年齢・性別を問わないブランド「NORMALLY(ノーマリー)」も展開しています。
2023年7月期には「北欧、暮らしの道具店」の商品売上の約7割をアパレルが占めるまでに成長。実店舗やECモールを利用せず、自社EC1店舗での販売ながら各型数千単位を生産し、商品全体の定価消化率は95%超で商品廃棄率は限りなくゼロに近い値を保ち、サステナブルな商品開発を実現しています。
参考:今期販売商品の生産数の一例
商品 | 価格(税込) | 今期生産数 | 今期発売日 |
---|---|---|---|
「一枚でも、重ねても」絶妙カラーの長袖カットソー | 4,642円 | 約8000枚 | 2023年8月 ※再販(2021年から4回目) |
「今日はなに色?どのサイズ?」私の定番ベーシックニット | 6,050円 | 約7000枚 | 2023年9月 ※再販(2021年から3回目) |
「気軽に、品よく」半袖ベーシックニット | 7,700円 | 約5000枚 | 2024年4月 |
「涼しさも、品のよさも」きれい色のTシャツブラウス | 7,700円 | 約2500枚 | 2024年6月 |
「おしゃれしながら、守りたい」軽やかUVカットパーカー | 13,200円 | 約2000枚 | 2024年4月 |
・定番商品は再販を重ね、生産数も年々増加
本日第3四半期決算発表を迎えた2024年7月期においては、2021年発売開始の定番商品「長袖カットソー」を約8000枚、「ベーシックニット」を約7000枚生産。類似商品のデータ分析に加え、複数回に渡る再販を重ねることにより、最大販売数を高い精度で予測することができるようになった結果、年々販売数を伸ばしています。
・2024年春夏の新作も好調、短期間で続々と完売
2024年春夏発売のアパレルアイテムも好調に販売数を伸ばしており、2024年4月新発売の「半袖ベーシックニット」は、約2週間で初回生産分5000枚が完売、同年4月新発売の「軽やかUVカットパーカー」も約4週間で2000枚が完売。また同年6月発売の「きれい色のTシャツブラウス」は約2500枚が3日で完売となりました。
アパレル好調を支える3つ要因
オリジナルアパレルの好調は以下の3つが大きな要因となっています。
(1)「商品企画」
8割が元顧客であるスタッフの動機と高い解像度の顧客理解の上に成り立つ企画
(2)「需要予測」
過去の売上データや再入荷通知の登録者数から顧客のニーズを分析
(3)「販売チャネル」
総フォロワー744万を超えるエンゲージメントアカウントと商品特性に合う多様な表現手段
(1)商品企画:8割が元顧客のスタッフが「動機」を元に商品を企画
当社のスタッフは約8割が元顧客であり、顧客と趣味嗜好が近いスタッフが自身の「動機」を元に企画をすることで、高い解像度で顧客の悩みや希望に寄り添う商品を実現しています。
また、毎日配信しているコンテンツを通じて得られる顧客からの反応、年2回実施し毎回2000件以上の回答を集める「お客さまアンケート」、アンケート回答者の中から個別のテーマでヒアリングを実施する「顧客インタビュー」(*2)、さらに商品の着用感やフィードバックを目的とした「試着会」(*3)等のリアルイベントを通じて、商品開発におけるさらなるインプットや新たなニーズの発掘を行っています。
*2 関連記事:
2024年5月15日公開 マーケティング担当インタビュー
[データだけでは辿り着けない顧客理解のために。お客さまインタビューの目的と実施方法]
*3 関連プレスリリース:
2023年10月13日公開 試着会プレスリリース
[オリジナルアパレルが年間180%成長と好調。初の「試着会」レポートも公開!]
(2)需要予測:売上初速・再入荷待ち人数等、過去のデータから高精度の予測を導き出す
生産数は、商品の売上や購入の販売スピード、「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツやSNSのリアクション等、長年積み重ねてきたデータや「入荷お知らせメール登録(再入荷通知)」に登録されている顧客数を手がかりに、今後の販売可能数を高い精度で予測しています。
また、顧客インタビューや試着会での顧客とのリアルな交流体験等、数値に置き換えられない定性的な情報も交えたロジックを生成し、商品ごとに需要予測を立てています(*4)。
2024年6月発売の「Tシャツブラウス」は既に約2700人が入荷お知らせメールに登録している
*4 関連記事:
2023年4月14日公開 売上管理担当インタビュー
[「いい計画」を立てよう。定価消化率95%超を保つために積み重ねたロジックとコミュニケーション力]
(3)販売チャネル:合計744万アカウントに、最適な手段で訴求
販売は、300万超ダウンロードのスマホアプリ(*1)をはじめ、オウンドメディアやメルマガ、YouTube、Instagram等、合計744万人のフォロワーを持つエンゲージメントチャネル(*2)を活用しています。テキスト・動画・音声・リアルイベント他、商品特性や発売時期に合わせて最適なプラットフォームと表現手段で顧客へ商品訴求します。
代表的な商品訴求コンテンツの一つは、オリジナルアパレルの発売と同時に公開している「スタッフ着用レビュー」です。身長や体型の異なる複数のスタッフによる着用感を詳らかに公開することで、顧客の自分ごと化を助け、購入を後押ししています。
また近年は、SNS経由で20代への認知が広がるとともに、サービスの成長に伴って50代以上の顧客も増加。幅広く顧客層が拡大していることから、2019年から累計販売数5万本を販売している「春いちボトムス・秋いちボトムス」シリーズ(*3)や人気の「ブラックフォーマル」といった商品ページでは、年齢層の異なるモデルを2名起用し、幅広い世代の顧客が共感できるよう工夫しています。
さらに顧客への新たな訴求方法として「サロペットスカート」「ブラックフォーマル」においては、公式YouTube番組「お買い物MOVIE」内で着回しコーディネートを公開。
約2000枚を生産したERIKO YAMAGUCHIとのコラボ商品「hopeと名付けた真っ白なブラウス」では、オウンドメディアやSNSでの発信に加え、ポッドキャスト番組「チャポンと行こう!」の特別回の配信、200名の顧客を招待するトークイベントを開催いたしました(*4)。
*5 関連プレスリリース:2023年6月20日公開[スマホアプリが3年で300万DL突破、売上比率65%へ。]
*6 2024年4月末の数字。
*7 関連プレスリリース:2023年2月13日公開[累計5万本販売の定番ボトムス、5年目の新作発売。]
*8 関連プレスリリース:2024年3月8日公開[ERIKO YAMAGUCHI初コラボブラウス『hope』3/9(土)発売、発表トークイベントに200名が集結]
これらの商品企画、需要予測、販売チャネルにおける強みは、「北欧、暮らしの道具店」が多様なエンゲージメントチャネルの上に、日々さまざまなデータ、ブランド、コンテンツを蓄積するカルチャーアセットを持ち、その上でD2Cというビジネスを展開する「ライフカルチャープラットフォーム」であることに起因しており、今後もこのプラットフォームの拡張に注力することで、多くの顧客の「フィットする暮らし」づくりへの貢献を目指してまいります。