クラシコム代表の青木です。表題の通り2025年11月23日(日)東京ビックサイトで開催される「文学フリマ東京41」に出店します!
一応会社の研究開発的な位置付けの取り組みではありますが、ほぼ青木個人が中心となって進めているプロジェクトで、イベント当日も青木がブースにて作品をご紹介しつつ販売する予定です。
文学フリマとは
「文学フリマ」は、2002年から開催されている文学作品の展示即売会です。出店者が「自分が〈文学〉と信じるもの」を自らの手で販売することをテーマに、すべての人が〈文学〉の担い手となれるイベントとして構想されました。
会場には、個人や企業、プロアマを問わず、多彩なジャンルの作品が一堂に会し、一般商業流通に乗らない冊子や、既存の定義・価値観にとらわれない作品等も並びます。
近年は、単なる作品発表の場としてだけでなく、才能の発掘や実験の場ともなっているほか、リアルなコミュニケーションと文学作品を介した新しいコミュニティの場としても機能しつつあります。
なぜ文学フリマに出店するのか
今なぜ経営者が、文学フリマに出店しようとするのか?訝しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
今企業のコミュニケーションやコンテンツのディストリビューションはインターネット上のプラットフォーム上で活発に行われており、低いコストで天文学的な数字のユーザーに一瞬にして情報を届けることができます。
またクラシコムはそのような環境に最適化されながら成長してきており、SNSのフォロワー、YouTubeのチャンネル登録者、スマートフォンアプリのユーザー、ポッドキャストの視聴者などなどを合計すると1000万アカウントを超える規模となっています。
つまりはインターネット上でのコミュニケーションやコンテンツのデリバリーは結構得意なタイプの会社であるといえます。

しかしそのような環境の中においても、今回出店する文学フリマの盛り上がりが証明しているように、フィジカルな作品を、対面で届けたいというクリエイターが引き続きたくさんいるという事実、あるいはそのような作品を物理世界の中で探して、選んで、購入したいという強い需要があるという事実、そしてそれに伴って文学フリマという場がここ数年で加速的に大きな規模のイベントとなっているという事実にとても強い関心を持っています。
まだ何につながるのか、経営や事業やサービスにどう役に立つのかとかは全然わからないのですが、何かいい匂いがする。そこには何かが埋まっていそうな気がする。その言葉にならないが自分としてはとても大事な直観に感じられるものが本当のところいったい何なのかを知りたいというのが今回文学フリマに参加したいと思った動機です。
ただそういうふわっとした興味が参加の動機だとしても、参加の仕方、つまりどんな作品をどのくらいの情熱や労力をかけてやるかによって、そこでどのくらい意味のあるインプットが得られるかが変わってくる気がします。
このイベントで2つの作品を発表する予定なのですが、一つの作品では約6ヶ月くらいの時間をかけて、約8万字を執筆し、もう一つの作品は4,5時間のインタビューに答え、編集を担当したスタッフと共に細部に渡るディレクションをして完成させました。
文学フリマのイベント当日も会場設営から販売まで僕が中心になってやるつもりです。
こうやって外から観察するのでなく、その渦中に身を浸し切ることで、何か自分にとって大事な気づきが得られる可能性がずっと高まるのではないかなと期待しています。

文学フリマにはどんな作品を出すのか
今回は以下の二つの作品を持っていく準備をしています。
往復書簡「希望の回路」
NewsPicksの編集者で同社の書籍の編集も多く手掛けている中島さんと約半年わたって続けた「希望」をテーマにした往復書簡を出版します。元々は僕が書籍を書くための準備運動として始めたものだったのですが、妙に熱が入り、どこにも出すあてがないのに8万字を超えるテキストとなってしまいました。ただ希望とは本来どんなものであるか、その回路を再稼働させるのはどうしたら良いのかを自分なりに必死で考えてみた記録です。自分としては決して読み易くはないがそれなりの読み応えがあるテキストでもあるなと思うので、ぜひ色々な立場の人に読んでみてもらいたいなと思っています。
ビジネス文芸誌「立体と断面」試読版ZINE
最近クラシコムに入社してくれた元雑誌編集者の越後さんとビジネスの「文芸性」「芸術性」を鑑賞するための雑誌のプロトタイプを作ってみようということで、まずは一番手近にあるクラシコムを題材にしてそれらしいものが作れるかを試してみました。今回は試読版ZINEということで、巻頭のインタビューの部分に当たる部分をつくってみました。本誌を作る時には構想としては事業や企業が持つUX、オペレーション、コミュニケーション、システム、財務、組織、戦略、経営哲学などの各「断面」と、それを統合した全体としての「立体」の双方から事業や企業を文芸やアートして美的観点から批評できる可能性を模索してみたいと思っています。正直巨大な構想に対して今形にできたものは限定的ですが結構面白いものにはなったと思います。
出店者情報
出店名:青木耕平ブース番号:つ-17〜18 (南3-4ホール)
出店作品:『希望の回路 ― 青木耕平 × 中島洋一 往復書簡』『立体と断面 ― クラシコムを美学的に鑑賞するための試み』
Webカタログ:https://c.bunfree.net/e/gUb

イベント詳細
イベント名:文学フリマ東京41
日時:2025年11月23日(日)12:00〜17:00
会場:東京ビッグサイト 南展示棟
入場料:無料
主催:文学フリマ事務局
詳細URL:https://bunfree.net/event/tokyo41/
※入場チケットの購入についてはこちらをご確認ください




