小永井 里美さん
旭化成ホームプロダクツ株式会社 マーケティング部 商品企画グループ 課長代理
1993年旭化成株式会社に入社。7年間輸出入業務に携わった後、1999年より旭化成ホームプロダクツ株式会社に在籍。出産、育児休暇を経て、現在はマーケティング部にてジップロック®ブランド全体のブランド育成、商品計画・広宣計画などを担当している。プライベートでは高校1年と中学2年のお子さんのお母さん。
ジップロック®拡大のきっかけは、日本の食生活に合わせた訴求にあり
——そもそもジップロック®はいつ、どこで生まれたのでしょうか。
小永井里美さん(以下、小永井) ジップロック®はアメリカ生まれです。1972年にまずはストレージバッグ(現在のストックバッグ)がアメリカで広まり、その後商品ラインナップを拡充していきました。
当社にはもともとサランラップ®という商品があり、スーパーやドラッグストアで同時に販売できる食品保存の商品を探していました。当時、アメリカでジップロック®が人気になっているのを知り、日本でも売れるのではないかと。1996年にバッグタイプ、3年後に容器タイプのコンテナーの販売をはじめました。
——ジップロック®はアメリカ生まれなんですね。日本で販売をはじめた当初、お客さまの反応はいかがでしたか。
小永井 「アメリカのカッコ良いキッチン用品が日本にやってきたぞ〜!」というおしゃれなイメージだったようです。ただ、当時、ジップロック®のような保存用品は日本にほとんどありませんでしたので、認知度を高めるのは大変だったようです。そこでわたしたちが提案したのが日本の食生活に合わせた使い方です。
——日本の食生活に合わせた使い方というと…。
小永井 2000年のはじめ「炊きたてをラップしてジップして、フリージングしてチンよ〜♪」というCMがあったのを覚えていますか?サランラップ®で炊きたてのごはんを包みジップロック®に入れて冷凍保存する、いわゆる「ラップ&ジップ」という使い方を提案し、それがだいぶブレークしたんです。
当時、残ったごはんは冷蔵保存することが多かったようですが、残ったごはんをもっとおいしく食べたいという声がありました。当社では、炊きたてのごはんを冷凍保存し、それを電子レンジで解凍するとおいしく食べられることを確認してCMで放映しました。
この取り組みのおかげで、ジップロック®自体の認知度もぐっと高まり、日本でも身近なものになりました。
シンプルさと機能性を兼ね備えた縁の下の力持ち
——今日お伺いしたいのが、あらためて「ジップロック®の魅力って何だろう」という点なんです。
小永井 圧倒的な使いやすさかもしれません。バッグタイプは開け閉めをするジッパーにこだわっていて、定期的に改良しています。ダブルジッパーは機能の違う2種類のジッパーで、上のジッパーは閉めやすいガイドの役目、下のジッパーは内側から開きにくいジッパーで、しっかり密封する役目です。ぬれた手でも開けやすいようジッパー部分に段差を入れたり、開け口の中央に指でつまみやすい山型のオープンタブをつけたり。いかにお客さまにスムーズに開け閉めしてもらえるか気を配っています。
——ジップロック®のコンテナーはいかがでしょうか。
小永井 2016年、発売以来はじめての全面リニューアルを行いました。合言葉はスペースマネジメント。食べものを入れるプラスチック容器って、それぞれ大きさも形も違うから冷蔵庫や棚にうまく収納できないという話をよく聞くんです。
——サイズが違うと上に重ねられず、棚の中がごちゃごちゃになります…。
小永井 縦横サイズが違うコンテナーも積み重ねやすいようデザインしているので、使用時も収納時もすっきりと、場所をとらずにスタッキングできます。あと、ふたの真ん中を押すだけでパチンと閉まるのも便利です。
——ジップロック®は常に進化しているんですね。
小永井 はい、常に使いやすいように進化しています。
ジップロック®があれば、暮らしだってスマートになる
——最近は暮らしに役立つジップロック®アイデアを提案していますね。
小永井 まだまだ「ジップロック®=キッチンで使うもの」と思っている方がたくさんいらっしゃいますが、ジップロック®は日常の幅広いシーンで活用できると考えています。「みなさんの暮らしをもっとスムーズに、もっとスマートに」という想いで、少しずつ食品保存以外の使い方をご紹介しています。
——暮らしをスマートにするジップロック®って何だかわくわくします。具体的にはどんな使い方がありますか。
小永井 ジップロック®を使うと便利になるシーンってたくさんあるんですよ。
例えばお子さんがいる家庭は、どうしてもおもちゃが家の中に散乱しがちですよね。細々としたおもちゃを種類別にジップロック®にひとまとめにすると、中身が見えるのでお子さまも分かりやすく、整理整頓できます。開け閉めしやすいジッパーがついているところもポイントです!お子さんがぐずる前に、さっと取り出せます(笑)
旅行や山登りに行くときは、リュックの中で迷子になりそうな小さな荷物をジップロック®で仕分けましょう。また、衣類にも便利で、空気を抜きながらジッパーを閉めるとコンパクトに収納できます。
カメラをジップロック®バッグに入れれば、水ぬれもカバーできて安心
次なる目的地は、ライフスタイルブランド!
——ちなみに小永井さんが個人的におすすめするジップロック®の使い方はありますか?
小永井 折りたたみ傘をジップロック®バッグに入れることです。水滴のついた折りたたみ傘って、どう持ち運びすれば良いか困りませんか? ジップロック®バッグに入れてからかばんにしまえば、ぬれないので安心です。
——今までキッチンに当たり前に存在していたジップロック®が、日々の暮らしに溶けこめば、もっとわたしたちの生活が楽しくスマートになるんだろうなと感じました。
小永井 わたしたちはジップロック®をキッチンブランドからライフスタイルブランドに成長させたいです。ジップロック®ってもっとあたらしい発想で使って良いんですよ。文房具を入れたって良いし、カメラのフィルムを入れたって良い。仕事で使う名刺や領収書を整理するのに使っても良い。いろんなシーンで皆さんの好きなようにジップロック®を使っていただいて、生活をスムーズにスマートにしていただければ嬉しいです。