クラシコム創業15年を機に、VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)を刷新。原研哉デザインのロゴ・企業サイト・オリジナルフォントを発表。

〜原研哉×代表 青木耕平の記念対談「日本の暮らしビジネスが向かうべき未来とは」公開〜
クラシコム広報
クラシコム創業15年を機に、VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)を刷新。原研哉デザインのロゴ・企業サイト・オリジナルフォントを発表。
「フィットする暮らし、作ろう。」をミッションに、ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」において、雑貨・アパレルのEC販売、ドラマ・映画などのコンテンツ配信、企業のマーケティング支援などを展開する株式会社クラシコム(本社:東京都国立市、代表取締役:青木耕平、以下「当社」)は、2021年9月に創業15年を迎えたことを機に、ロゴをはじめとしたVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)をリニューアルすることを決め、本日新たなコーポレートサイト、オリジナルフォントと合わせて発表いたします。 また、本件を記念して、デザインを担当した日本デザインセンター代表・原研哉氏とクラシコム代表青木耕平の対談を公開いたします。

VIリニューアルの経緯

株式会社クラシコムは2006年に創業し、2007年に「北欧、暮らしの道具店」を北欧のビンテージ雑貨や食器を取り扱うECサイトとして開店しましたが、現在では北欧に限らず様々な国の商品を取り扱うとともに、コラム・ポッドキャスト・動画などのコンテンツを制作・配信、2021年には劇場映画『青葉家のテーブル』の公開、さらに100社を超える企業のマーケティング支援を行うなど、様々なライフカルチャーにまつわる事業を行なっています。この15年間の大きな変化を受けて、クラシコムに関わる人・企業が増える中で、改めて自らのアイデンティティを内外に示すため、VIをリニューアルするに至りました。

新VIについて

使用開始日:2022年2月24日(木)
デザイン協力:原研哉(日本デザインセンター)

詳細資料(PDF)
VIリニューアルについて
オリジナルフォントについて

コーポレートサイトURL:https://kurashi.com

代表取締役社長 青木耕平 コメント
これからますます多様なステークホルダーと関係を広げながら成長していく上で、クラシコムという会社はどんな人たちが往来してもブレない清らかさを持ち続けていたいというのが私たちの願い。その上で、お祭りや縁日などで多様な人が行き交ってもその神聖さが揺るがない「神社」のような場であるための、「鳥居」や清めの「塩」のようなものが欲しいというのが私たちのオーダーでした。それにロゴマーク(鳥居)、オリジナルフォント(塩)という形で打ち返してくださいました。
このロゴマークとフォントを持って場を作れば、これからより多様で複雑なものを内包しながら成長するクラシコムもきっと清らかな存在でい続けられる、そんな自信をいただけたような気がしています。

今回デザインを担当した 日本デザインセンター 原 研哉氏 コメント
■VIシステムについて
空気のように生活に溶け込むサービスを、かたちに落とし込む仕事でした。無色透明でありながら、揺るぎない安定性を持ち、どんなイメージをも受け入れ、人々の思いや暮らしに寄り添える、そんなかたちを無数に模索しました。結果としてたどり着いたマークです。
最終的には依頼主によって選ばれたものですが、コップのシルエットのような、極めてシンプルな造形に落ち着きました。経験的には、マークは可能な限りシンプル/ミニマルな形がいいと感じていますので、これに過ぎるものはありません。
シンボルマークというものは、何かを意味するのではなく、イメージの依代として機能するもので、抽象的で無意味なものほどよく働くのです。その典型は日本の国旗で、赤い丸にはそれ以上の意味はありません。しかしこれを用いる様々な立場の人々が、ここに多様なイマジネーションを持ち続けることで、赤い丸は実に意味深長な、受容力豊かな記号へと育っていくのです。要はイメージの器として着実に大きく育つかどうか。クラシコムのマークも同様で、多くの利用者の方々やこの会社を運営する方々に、多種多様なイメージや思いを盛り込み続けていただくことで、充実したマークへと成長していくものと期待しています。

■オリジナルフォントについて
堂々と中庸であること、同時にこれを用いて画面を生成した際に明快な個性を醸し出すこと、その両立をテーマに、KURASHICOMのロゴタイプを基軸とした専用フォントを設計しています。
専用フォントは、尖ったセリフのないサンセリフ書体です。抑揚を抑え、組まれた本文に濃淡がなく、均質なグレースペースになるように設計されていますが、KURASHICOMのロゴに見る通り、幾何学的な強さを持ったフォントです。「C」や「O」はかなり正円に近いのですが、「P」や 「R」のカーブや「S」の中央部のカーブには手書きの柔らかさを残した書体です。「K」や「R」の右下に張り出すテールの角度と「M」の中央部の位置に特徴があります。
このフォントは、見出しや固有名詞を組む場合、字間をやや空けて組むことで特徴が強調されます。Webサイトでは見出しに大文字を配していますが、これによって、ユーザーは直感的に、クラシコムのサイトの印象を感じとるはずです。
また、テキストで組んだ場合も、さりげない明るさ、快活さを持った版面になります。なにもないようでいて、実はしっかり特徴がある、言わばおいしい水のようなフォントです。ネット環境の中ではサイトを構成するフォントの質が水の品質に相当するのだと考えています。

・原 研哉(はら けんや)氏 プロフィール
1958年生まれ。デザイナー。日本デザインセンター代表取締役社長。武蔵野美術大学教授。
世界各地を巡回し、広く影響を与えた「RE-DESIGN:日常の21世紀」展をはじめ、「HAPTIC」「SENSEWARE」「Ex-formation」など既存の価値観を更新するキーワードを擁する展覧会や教育活動を展開。また、長野オリンピックの開・閉会式プログラムや、愛知万博のプロモーションでは、深く日本文化に根ざしたデザインを実践した。
2002年より無印良品のアートディレクター。松屋銀座、森ビル、蔦屋書店、GINZA SIX、MIKIMOTO、ヤマト運輸のVIデザインなど、活動領域は極めて広い。
「JAPAN HOUSE」では総合プロデューサーを務め、日本への興味を喚起する仕事に注力している。2019年7月にウェブサイト「低空飛行」を立ち上げ、個人の視点から、高解像度な日本紹介を始め、観光分野に新たなアプローチを試みている。
著書『デザインのデザイン』(岩波書店、2003年)、『DESIGNING DESIGN』(Lars Müller Publishers, 2007)、『白』(中央公論新社、2008年)、『日本のデザイン』(岩波新書、2011年)、『白百』(中央公論新社、2018年)など著書多数。

記念対談公開

デザインを担当した日本デザインセンター 原研哉氏とクラシコム代表青木の対談も同時公開いたしました。今回のVIリニューアルの経緯から、この先向かっていく、“日本の暮らしビジネスの未来”をテーマにした対談となっております。

【記念対談】
16年目のVIリニューアルからつなぐ、これからの“日本の暮らしビジネス”が向かうべき先とは。デザイナー 原研哉×クラシコム 青木耕平 対談