【スタッフノート】5年間同じ仕事をしていたら飽きるのか?の検証

書き手 クラシコム 筒井
【スタッフノート】5年間同じ仕事をしていたら飽きるのか?の検証

こんにちは。人事の筒井です。

クラシコムに入社して丸5年が経とうとしています。先日、転職を考えている友人から、「同じ会社でずっと人事で、飽きないの?」と聞かれました。

うーん、全然飽きてない。なんでだろう?

今日はその理由を考えつつ、クラシコムの特徴を紐解いてみようと思います。

退職前、上司に心配された二つのこと

前職を辞めるとき、とても尊敬していた上司が、規模も業界も全く違う会社へ転職する私を案じてか、こんなメールをくれました。

「次の転職先候補のこと、お聞きして気になった点を言語化しておきます。

・組織の規模が限られているので、なんでも経験できる反面、全て味わい尽くすのも早いのではないか?(職種・機能のバリエーションは少ない?)
・成長実感、知的好奇心を持続的に満たしうる「量(スケール・地平の広がり)」と「質(学びの質・先進性・筋の良さ)」の経験が見込めるか?」

この問いをヒントに考えていこうと思います。

①組織の規模が限られているので、全て味わい尽くすのも早いのではないか?

私が入社した2016年7月時点では、社員数は20名強、売上は13.7億円でした。そこから5年間で、社員数は80名弱、今期は入社時の3倍を超える売上規模になりそうです。

毎期1.3〜1.5倍の成長をしていて、慣れる暇もなく次のステージに変わっていくような感覚でした。

とはいえ、「全て味わい尽くすのも早いのではないか?」という投げかけは、転職後も頭のどこかに残っていました。クラシコムをECの会社と捉えていて、今はいいけれどこの先どうなっていくんだろう?という事業の行く末に自分なりのスタンスを持てていなかった時期です。

そんなある日、代表の青木から雑談のなかでこんな話をされました。

「昨日MTGで、佐藤(共同創業者で当社取締役)がこの先やりたいことを熱く語っててさ。それを聞きながら、兄ながら頼もしいなぁって思ったんだよね。筒井さん、この先10年分くらいはやることありそうだよ」

経営陣の二人も私と同じように、「このままでいいのだろうか?」と不安を抱いているに違いないと一方的にイメージしていた私。

でも、実際は「お客さまが求めてくださることで、私たちがやれることってまだまだたくさんあるよね」と、既存の枠にとらわれず目を輝かせて兄妹で熱く語り合える。それを冗談でも10年分あると言うくらいに。そんな未来への可能性に、強く希望を感じました。

それ以来、「私も微力ながらお供したいです!」と、心の中で腕まくり、ねじり鉢巻しながら走り続けて今に至ります。

②知的好奇心を持続的に満たしうる量と質の経験が見込めるか?

次に、二つ目の疑問「知的好奇心を持続的に満たしうる量と質の経験が見込めるか?」です。

私たちが運営する「北欧、暮らしの道具店」は、ヴィンテージ食器の販売から事業がスタートしましたが、商品の幅を広げ、オリジナルのブランドを立ち上げ、toBの広告事業を開始、コンテンツは音楽・ラジオ・ドラマと、「私たちはこういうものです」と一言で言うのがどんどん難しくなるくらい、幅を広げてきています。

北欧、暮らしの道具店のアプリは100万ダウンロードを突破しました。

私にとっては1年半から2年くらいのスパンで事業ドメインが広がっている感覚で、知的好奇心は常に掻き立てられる状況だったと思うのですが、実はそれに不安がないわけではありませんでした。

その気持ちが変化する転機になったのは、2018年4月に公開したオリジナルドラマ『青葉家のテーブル』です。

▲主演・西田尚美【ドラマ】青葉家のテーブル第1話:トモダチのつくりかた

最初に、経営陣からドラマの撮影をしていると聞いたときは、「え?ドラマ?」とぽかんとしてしまったことを覚えています。

「お客さまにどんな風に受け止められるんだろう?」という疑問が浮かび、北欧、暮らしの道具店がドラマをつくる必然性をよく理解できていなかったのだと思います。

初めて第一話を見てその完成度の高さにワクワクした直後でさえ、本当にうまくいくのかな?という気持ちがどこかでありました。

公開後はというと、ドラマはたくさんのお客さまに楽しんでいただき、第4話まで製作され、今ではYoutubeでの総再生回数は619万回を超えています。

別のドラマシリーズ『ひとりごとエプロン』や他ブランドさんとのタイアップしたスピンオフドラマができたり、6/18にはとうとう『青葉家のテーブル』劇場版が全国公開されるまでになったりと、このチャレンジはクラシコムや北欧、暮らしの道具店に大きな変化をもたらしてくれました。

▲【料理ドラマ】『ひとりごとエプロン』第1話:一人暮らしのキッチンでつくる、簡単じゃがいもグラタン

映画『青葉家のテーブル』公式サイト 

この期間を通して、

・新しい変化は初めから自分にわかりやすい形で訪れるわけではないこと
・新しい領域に船出する経営陣やメンバーには、私には見えていない何かお客さまの気持ちや兆しがつかめていること

を体感的に知りました。

振り返ると、自分の中にある「ECの会社ってこういうもの」「北欧、暮らしの道具店ってこういうサービス」という先入観や固定概念が良い方に裏切られて、より柔軟になっていったプロセスだったのかもしれません。

その後、たびたび「え?」と思うようなアイデアが聞こえてきても、「またきっと青葉家で体験したのと同じようなことが起こるんだろうな〜今度はどうなるかしら」と面白がっている自分がいます。

そのトライが失敗するか成功するかは関係なく、その新しい可能性を信じて、自分では思いもよらない方向へみんなで一緒に向かうことの面白さこそが、知的好奇心を刺激してくれる源なんだとわかりました。

変わらないために変わり続ける

①組織の規模が限られているので、全て味わい尽くすのも早いのではないか?
②知的好奇心を持続的に満たしうる量と質の経験が見込めるか?

この二つの問いに対する答えは、「フィットする暮らし、つくろう」というミッションを変えないために、常にやることを変え続ける姿勢を身を以て体感したことで見出せたように思います。

これからも、変化していく状況に対して、今度はどうなるかな?と面白がりつつ、自分の役割を全うしながら一緒に走っていきたいなと思っています。

そしたら、飽きる暇もなくまた数年が経ち、思ったより遠くにきたなぁと歩んできた道を振り返って味わうんだろうなと今から楽しみです。

そんな時間の過ごし方もいいなと思っている5年目の終わりでした。