【スタッフノート】6000人企業から30人ベンチャーへ転職してわかった、いるスキルといらないスキル

書き手 クラシコム 筒井
【スタッフノート】6000人企業から30人ベンチャーへ転職してわかった、いるスキルといらないスキル

こんにちは。人事の筒井です。

私は約1年前にクラシコムへ転職したのですが、この期間で感じた必要なスキルとそうでないスキルについて紹介したいと思います。

それまでの会社は、社員数6000人強、歴史は100年以上の老舗メーカー。

人事部門だけでも40人以上在籍しており、隣のチームが何をやっているかほとんどわからないくらいに、明確な業務分担とレポートラインが定まっていました。

かたや、クラシコムは約30人、創業10年のECの会社。管理系の業務をするメンバーは私が初めてという状態で、違いすぎて何がどう違うかももはや想像がつかず、入社前には自分の限定的な経験とスキルでは戦力にならないのではないか、と不安もありました。

そんな私でしたが、1年が経過する間に、どんなスキルがパーマネントで、どんなものが使わなくなったか、わかってきたことがあるのでここに書きたいと思います。

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いるスキル

【逆引きタスクプランニングスキル】
どこのどんな種類の仕事でも、これが最もポータブル性が高いと感じています。

ばくっとしたスコープの課題について、領域を明確にして、ゴールを設定、タスクを細かく砕き、優先順位をつけ、自分のリソースの見積もりを元に、いつまでにできるのかをゴールから逆引いてプランする。

何においてもこれが、とにかく役に立ちまくっています。

特に、規模が小さい組織の中では、細かく誰かが管理してくれるのを待つよりも、自律的にこのプランニングをぶん回す必要があるなと。

【そもそもさぁ思考】
クラシコムでは職種に関係なく、全員が残業をせずに18時に退社するのですが、これを可能にしている要因の1つに、「本当に必要な仕事に集中し、やらなくても良いことにリソースを使わない」という点があります。

それ故、「そもそもそれってやる必要あるの?」と問われる(問う)頻度がとても高くなりました。大小関わらずほぼ全ての仕事において、必ずその問いをどこかのタイミングで通過しています。
人に問われる前に自分で自問自答できることで、格段にリソース効率を上げられる実感があります。(人に問われると単純に悔しい)

小さな企業だと、やる必要ないよねとなるまでの判断が早いですし、やらないとなったらとことんやらない。その潔さが好きです。

【リスクへの感度】
上申・承認のステップが多くあった前職と比べ、人数が少ないゆえに当然ですが、セーフティーネットの数が少ないです。怖いです。
自分の判断ミス・思考の癖が、前職時代に比べ「直接・すぐに」大きな影響を引き起こすということに、大きなミスをしてから初めて痛感しました。

かといって、全てにおいてリスクを避けろということではありません。

リスクをキャッチしても、目的やスピードのために無視する(リスクテイクする)のはOKですよね。大事なことは、何がリスクになりやすいのか、という癖・特性を把握し、それに気付く感度を上げておくことだとわかりました。

スピードを上げて走りながらも頭の半分は、こういう道だと私こうなりやすいんだよな、とか、あそこらへんは何かありそうだぞ、ということを常に意識しながら、スピードをガンガン上げていくイメージです。

その実感値をためていけば、不要な部分には感度を下げ、事故りやすいところには感度を上げ、という効率的なリソースの使い方ができるようになるのではないかと。

リスクヘッジしすぎてスピードが遅くなる、リスク無視して200km/hでぶっ飛ばす、ではなく、その二つのバランスの良い頭の使い方が私にとっては新鮮でした。

df3_4238デスク周りの小物・文房具が好きで、自分にぴったりくるものを探すのが楽しいです。

 

いらないスキル

【根回し・エクスキューズ】
最終決定までのレイヤーが複数あった組織構造も相まって、決裁者までが遠いため、どの順番で誰にOKをもらっておくのかという根回し術が、仕事のスピードをあげるコツでした。

また、その根回しの場面では、相手の特性に合わせて「もうご存知かもしれませんが」「こんなことでお時間取らせて恐縮なのですが」という前置き、無駄な弁明も私は多用していました。

今は、組織構造がシンプルで決裁者が明確なこともあり、根回しの時間は、もっと本質的な論点について考える時間に変わりました。(=そもそもさぁのための時間)

そして、エクスキューズを多発させるのは、自分に自信がないから、ということも判明。私にとっては、卑下は逃げだったようです。

と言いつつも、実は、振り返ってみるといらなかったスキルってほとんどなかったなとわかり、驚いています。入社前はほとんど使えないのではないかとビビっていたにも関わらず。

 

結局仕事において大事なことは同じ

企業の規模、業態に関わらず、本質的にポイントになることは同じなのだと実感しています。

それは、シンプルに言うと、以下の2つです。

(1) 何のために、何をやるべきなのか
(2) それを実行する作法

どこのどんな環境においても、その仕事は何のためなのか、それを達成するためには何をやるべきなのかを捉え、それを適切に実行していく、ということには変わりませんでした。

全然やったことないことだらけで何もできなかったらどうしよう、と思っていた自分には、それは新しい気付きで、抽象度を高めれば、全部一緒やん!と。

df3_4241何でもノートへメモ、紙のマンスリーカレンダーでタスクスケジュールを立てる、というアナログ戦法はやめられれそうにありません。

 

べき論OSから意志論OSへ

ただ、クラシコムにおいては、「(1)何のために、何をやるべきなのか」という点には少し変化がありました。
それは、「何のために、何をやるべきか」から、「何のために、何をやりたい」のか、への変化です。

言い換えると、会社から求められるMUST/SHOULD(外発的動機付け)よりも、自分が何をやりたいのか、どうしたいのか、というWANT(内発的動機付け)が重視される環境だということです。

会社、組織、顧客のために何をやるべきか、という「べき論OS」ががっつりインストールされている私の脳みそには、なかなかそれが慣れず、「意志論OS」をインストールするのに時間がかかりました。

「え?私って、何がしたかったんだっけ?」と。

そんな私の意志論インストールの過程は、こういう順番でした。

①よーーく見て、じーーっと待つ

MUST/SHOULDが得意な私の頭でしたが、本当は心の中に震える炎があるはずだと思い、とにかく会社全体・社員のことをよーーーく見て、私の秘めた闘志はどこの何に反応するのか、じーーと待ってみました。

解像度を上げて周囲を見ていたら、これがこうだったらいいのに、こうやってみたい、ここをこうしたい、という意志が少しずつ見えてきました。MUST/SHOULDのパワーに隠されて、WANTをキャッチする感度が低くなってしまっていたようです。

②ヘルシーファイト

でも、自分のやりたいことをすぐに実行に移すことがいつも良いという訳ではありません。
①で気づいたことが、本当に誰かのHappyにつながっているのか、自分でも咀嚼するし、周囲と健全に意見を交わす。このプロセスは自分のやりたいとう気持ちと常にセットだと思います。(ヘルシーにスパーリングできる相手がいるって、とっても貴重ですよね)

 

意志論でやる仕事って、面白い!

それを繰り返していると、同じことをMUST起点でやるよりも、やったときの充実感が高まることを知りました。これをやったらいい感じ!と思ってやったことが、本当にワークしたとき、やってよかったなぁと思える度合いは200%!

意志論OSをインストールするには、【自己効力感】と【心理的安全性】が前提条件だということもわかりました。これは話が長くなりそうなので、また今度。

そういう訳で、仕事内容や企業規模など、今までと違う条件の環境にこれから身を置く可能性がある方への少しでも参考になれば幸いです。

クラシコムでは、これからのECを一緒に作っていってくれるエンジニアの仲間を随時募集していますので、興味がある方はぜひ一度オフィスに遊びに来てくださいね。

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