「北欧、暮らしの道具店」のノウハウを活用して、企業のマーケティング支援を行う「BRAND SOLUTION(ブランドソリューション)」。
お取り組み担当者インタビューでは、BRAND SOLUTIONのクライアント企業が当初抱えていた課題や、取り組みを通じての気づきなどについて振り返っていただきます。
今回お話を伺ったのは、100%天然由来の素材からつくられているシャンプーなどを展開するharuの企画・コンテンツディレクション担当、株式会社nijitoの仲子 千帆さんと川崎 真生さん。
「北欧、暮らしの道具店」では、2019年から2022年の3年にわたり、17本のタイアップ記事をお届けしてきました。また、2022年6月には、haruの生誕9周年を記念した限定コラボレーションシャンプーも発売。お客さまから、大反響をいただきました。
haruが「北欧、暮らしの道具店」で継続してブランドメッセージを発信している理由とは? 続けることで生まれた、お客さまとの新しいコミュニケーションとは? クラシコムの担当プランナー、中村がお聞きしました。
株式会社nijito
マーケティング統括本部
コミュニケーション開発部部長
仲子 千帆さま
株式会社nijito
マーケティング統括本部
コミュニケーション開発部 プロモーションチーム-Living
アシスタントマネージャー
川崎 真生さま
株式会社クラシコム
事業開発部 プランナー
中村 静久朗
初回のインタビューで感じた、確かな手応え
中村
haruについて、どんなブランドかあらためて教えていただけますか。
仲子
弊社の代表で2児の母でもある鮫島の「毎日忙しくて自分のケアに手間をかけられないからこそ、無理なく続けられる質のいいアイテムが必要だ」という切実な思いがきっかけとなって生まれたブランド、それがharuです。
これまでにご紹介いただいたharuのシャンプー「kurokami スカルプ」は、忙しい方でも、これ1本で、時間をかけずにきちんとケアできる点が特徴です。100%天然由来の素材でつくられていますが、頭皮や髪の悩みにしっかりと手ごたえを感じてもらえる機能にもこだわっています。
▲リンスやコンディショナーいらずのオールインワンシャンプー「kurokami スカルプ」
中村
「kurokami スカルプ」は、「北欧、暮らしの道具店」のお客さまだけでなく、スタッフにもリピーターが何人もいるんです。私も家族みんなで愛用しています。着実にファンが増えているharuですが、私たちとの取り組みを始める前に抱えていた課題について、教えてください。
仲子
2019年当時は、ブランドの認知度の向上が大きな課題でした。「認知度」と一口にいっても「とにかくたくさんの人に知ってもらいたい」というわけではありません。仕事や家事、育児に追われて、自分を大切にする時間が後回しになりがちな方へ、haruが日々のヘアケアをお手伝いできることを伝えたい。その上で「あぁ、これは私のためのシャンプーだ」と共感してくださったら、と考えていました。
中村
では、数あるパートナー企業の中で「北欧、暮らしの道具店」を選んでくださった理由について、教えていただけますか。
仲子
もともと社内に「北欧、暮らしの道具店」が好きなスタッフが何人もいたんです。私も、お店の空気感やアイテム、写真や言葉……一つひとつの選びかたが、haruの理想とするお客さまの暮らしに、フィットするのではないかと感じていました。
そこで思い切って、クラシコムへ商品をお送りしたんです。「北欧、暮らしの道具店」の目利きであるスタッフのみなさんなら、haruのコンセプトに共感してくださるかもしれない、と思いまして。商品には自信がありましたが、スタッフの方から「いいですね!」とお返事をいただくまで、正直ドキドキしていました。
中村
ありがとうございます。お取り組み決定後の初めての打ち合わせで「まずは『北欧、暮らしの道具店』のお客さまへ、haruの自己紹介をさせてくれませんか」とご要望をいただき、とても驚きました。実は、私たちも、同じことをご提案をしようと思っていたんです。
ブランドソリューションとしては、お取り組みする商品の効果だけでなく、ブランドの背景や大切にしているものを知ってもらうところから始めるのが、お客さまとの良い関係を築く上での「最初の一歩」にふさわしいと考えていました。そういった考えかたの部分で、haruは、私たちと同じように、お客さまと真摯に向きあっているのだな、と親近感を覚えました。
それからスタートした最初のお取り組みは、2019年の9月、鮫島さんへのインタビューでしたね。記事の読者を対象としたアンケートでは1000件もの回答をいただき、そのうち98%の読者がharuを利用したいと回答してくださる結果になりました。
仲子
初回のインタビュー記事は、反響の大きさに驚きました。読者の方のコメントの中には「100%天然由来の素材でつくられていると書かれていますが、具体的にはどんな素材を使っているんですか?」「たくさんカタカナが並んでいますが、詳しく知りたいです」といったご質問がいくつかあって、これには目から鱗でしたね。
私たちにとっては当たり前の基本情報も、haruのことを初めて知る方にとっては、興味を引かれる部分だったんだ! と気づきを得ました。これをきっかけに、商品の表記を具体的にするよう見直しましたし、お客さまにharuのことを正しく知ってもらうために、これから何をしたらよいのかヒントをもらった気がします。
川崎
私は、お取り組みを始める前まで「ヘアケア商品はスペックで選ばれるもの」と思い込んでいました。ところが、初回の記事のあと「記事をきっかけに買ってみました」というお客さまが何人もいらっしゃって。スペックだけに頼らない訴求方法があるのか! とハッとしました。
それからは、広告を企画する際にも、ブランドの背景を、より重視するようになりましたね。スペックの価値を感じていただくには、商品ができるまでの背景や、お客さま一人ひとりの日々の暮らしが、私たちの商品によってどう変化しているのかを伝えることが、大事だと実感しています。
3年間ブランドソリューションを選び続けている理由
中村
2019年から現在まで、年間4本以上のペースで記事をお届けしてきましたが、反響や成果について、どのように感じられていますか。
川崎
やはり回を重ねるごとに、認知度が上がっているように感じます。弊社が行なっているお客さまへの認知度調査では「北欧、暮らしの道具店」をきっかけにharuを知った方が、毎年着実に増えているんです。認知度拡大を目的とした取り組みですが、毎回タイアップ記事経由の購入が見られるのも、嬉しいポイントです。
あとは、「北欧、暮らしの道具店」の読者アンケートが非常にありがたいですね。読者の方の声から、haruのどこが魅力的で、逆にどんなところがネックになってるのかを、記事ごとに吸収できるので、ブランドコミュニケーションに活用しています。
中村
私たちも、読者アンケートの結果を、次回のお取り組みに活かすようにしているんです。haruの記事が、平均よりも2〜3倍高いCTRを達成できているのは、こうしたアップデートが理由のひとつではないかと推測しています。
では、お取り組みを続けていただいている理由については、いかがでしょう。
仲子
そうですね。続けている理由のひとつは、記事を発信するたびに、新しいお客さまとの出合いが生まれている実感です。記事をきっかけに新しく使い始めた方が、リピーターになってくださったり、次回の記事に出演してくださったりすることもありましたよね。続けているからこそ、こうした好循環が生まれているように思います。
▲取り組みをきっかけに「kurokami スカルプ」を実際に愛用し始めた「北欧、暮らしの道具店」のスタッフの声を生かした記事 【シャンプー迷子、卒業しました】愛用歴1年。スタッフ2人がこのシャンプーを選んだ理由
中村
クラシコムでは、商品紹介だけでなく「商品が届いた後のお客さまの暮らしの変化」を重視しています。お客さまにとっては、商品を買ってからの生活が、その商品とのお付き合いのスタート。商品のある暮らしをきちんと伝えることが、深くブランド理解をした上で購入してくださることや、リピーターへつながる要因のひとつかもしれません。
仲子
そうですね。他にも、これまでの継続した取り組みが、既存のお客さまの愛着形成やリピートにもつながっているような気がします。「北欧、暮らしの道具店」の読者アンケートの中には「haruを愛用していますが、記事で紹介されているのを見て、ますます好きになりました」「以前購入していましたが、記事を読んで久しぶりに買おうと思いました」なんて声もあるんです。使っていたブランドが、好きなメディアで紹介されているのを目にすると「私の選択は正しかったんだ! 」と嬉しい気持ちになりますよね。
川崎
クラシコムのスタッフのみなさんが、同じ目線に立って並走してくださることへの安心感も、続けている理由のひとつにあげたいです。お取り組みを始めた当初から、プランナーの方のブランドへの理解がとても深くて驚きました。むずかしい成分表記も「こちらが正解ですよね?」と正しく把握されていたんです。原稿で訂正するところもほとんどなくて、これまでにない安心感を覚えましたね。
中村
ありがとうございます。私たちも、3年間一緒に並走してきたからこそ、ブランド理解が深まりましたし、ますますharuのことが好きになっていきました。こうして育まれてきた愛着が、おふたりの挙げてくださった「続けてくださる理由」につながったのかな? と思いました。
新しいお客さまの開拓だけでなく、新しい価値を発掘する
中村
記事だけでなく、最近は商品開発をご一緒させていただきました。2022年6月、haruの9周年を記念したコラボレーションシャンプー「kurokamiスカルプ Trip(トリップ)」を発売しましたね。その背景についても、お聞かせください。
仲子
haruにとって最後の一桁の誕生年である9周年である2022年。この時間を、お客さまと特別なものにしたい、そして、お客さま一人ひとりが自分らしさを大切にしてくださったら……という願いを込めて、数量・期間限定の記念シャンプーを企画しました。
テーマは「Trip」。ただ髪を洗うだけではなく、旅するときに感じる解放感をおふろで感じ、ひとさじの非日常をバスタイムで味わえるような体験を目指しました。
中村
半年ほど議論を重ね、「北欧、暮らしの道具店」のエッセンスを、ふんだんに盛り込んでくださった特別な商品ですが、お客さまからの反響はいかがでしょう?
川崎
おかげさまで大反響をいただいています!「『北欧、暮らしの道具店』とのコラボレーションが嬉しい」「北欧のデザインがかわいい」「ひんやりしていて暑い夏にぴったり」などお客さまの声からも、心から喜んでくださっているのが伝わってきます。
歴代の中でも、もっとも多く製造しましたが、6月の販売開始から着々と売れています。ボトルの柄を3種類用意していたのですが「3種全部そろえたい」とセットでご注文いただく割合も多く、お客さまの熱量を感じました。
▲「北欧、暮らしの道具店」がデザインを担当した3種類のボトル。カモメ、湖、森林をモチーフに、旅先の窓から見える北欧の景色を表現。限定シャンプーはharuのオンラインショップで発売中(※数量限定、無くなり次第終了)
中村
3年間続けた結果として、こうしたチャレンジができて、私たちもワクワクしました。最後に、haruの今後の展開やチャレンジについて、お伺いさせてください。
仲子
これまでシャンプーを主力に認知を広げてきたので、どうしても「haru=シャンプー」というイメージが強くあります。今後は、他のアイテムについても認知を広げていきたいです。
具体的には、haruのシャンプーによって解決できるヘアケアのお悩みを起点に、その周辺であるバスタイムをより豊かにするアイテムとして、ボディウォッシュとボディミルクのプロモーションに力を入れています。同じお客さまでも、年齢を重ねるごとに悩みや環境が変わっていくので、そこにどう適応して、フィットするものをお届けできるか、その点もプロモーションの課題です。
▲「北欧、暮らしの道具店」とも、ボディウォッシュとボディミルクを紹介する企画が進行中
中村
全くタイプの異なるお客さまをどんどん増やしていくというよりも、自分たちのコンセプトに共感いただけるであろうお客さまへ、提供できる価値を増やしていくという発想は、haruとクラシコムの共通点のような気がします。
仲子
まさに、そうですね。これまでの記事もコラボレーションシャンプーも、haruと「北欧、暮らしの道具店」、互いにブランドコンセプトや戦略に共感し合っているからこそ、実現できたものだと思っています。
中村
ありがとうございます。これからもharuのブランドと共にお客さまと向き合って、新しい価値の発信をご一緒できたら嬉しいです。
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株式会社クラシコムの「BRAND SOLUTION(ブランドソリューション)」では、「北欧、暮らしの道具店」のノウハウを活用して、企業のマーケティング支援を行なっています。
今回ご紹介した、株式会社nijito 「haru」のお取り組み事例は、こちらからご覧いただけます。
https://hokuohkurashi.com/note/category/tokushuu/tokushuu-active/brand-note-haru