2022.06.07

花王「エマール」として新たに伝えたい価値は生活者に響く?取り組みで得た検証結果と次への活かし方

書き手 南澤悠佳
写真 佐々木孝憲(5,7枚目以外)
花王「エマール」として新たに伝えたい価値は生活者に響く?取り組みで得た検証結果と次への活かし方

「北欧、暮らしの道具店」のノウハウを活用して企業様のマーケティング支援を行う「KURASHICOM BRAND SOLUTION」。お取り組み企業担当者様インタビューでは、抱えていた課題や一緒に取り組んだことで得た気づきなどを担当プランナーと一緒に振り返っています。

今回お話を伺ったのは、花王「エマール」を担当する福本梨紗さん。BRAND NOTE(スポンサード記事)のお取り組みを2本連続でご一緒しました。

ロングセラー商品の「エマール(洗たく用洗剤・おしゃれ着用)」と2021年3月に新登場した2つのミスト「リフレッシュミスト」「カタチメイクミスト」について、コミュニケーション戦略や抱えていた課題、お取り組みの感想などについて、担当プランナーの清水がお話を伺いました。

(写真右から)
花王株式会社 ファブリックケア事業部 
福本梨紗さん

株式会社クラシコム 事業開発部 ブランドソリューショングループ プランナー
清水由希乃

ロングセラー商品と新商品でサポートする、お気に入り服の長持ちケア

清水
はじめに、エマール(洗剤)とリフレッシュミスト・カタチメイクミストの特徴を伺えますか?

福本
エマールブランドについてまずお伝えすると、お気に入りの服を長持ちできるようにして、おしゃれを楽しむ人を応援する「MY CLOSET CARE」を掲げています。

エマールは1990年代から「ホームクリーニング エマール」の言葉とともに、ニットなどのクリーニング屋さんに出さないといけないと思われていた衣類もご自宅で洗えることを伝えています。その後、2020年に新技術「カタチコントロール洗浄」を採用しました。また2022年にはこの技術に加え、センイリペア技術を追加。ダメージを防ぐだけでなく、洗うたびに伸びやヨレを回復させられるようになりました。

清水
私はエマール(洗剤)をもともと使っていたのですが、ずっとニット専用だと思っていたので、さまざまな機能があることを知って驚きました。

福本
そうなんです。実は、弊社の調査でもお客さまの約5割がニット専用洗剤だと思われていることがわかっています。「ホームクリーニング エマール」の言葉からそうした印象を抱かれていると思うのですが、「毛玉・縮みを防ぐ」以外にも、「伸びヨレを戻す」「シワ・色あせ予防」「汗・皮脂すっきり洗浄」の機能があり、おしゃれ着はもちろん、普段着るカジュアル服にも活躍してくれます。


▲写真左から、エマール(リフレッシュグリーンの香り、アロマティックブーケの香り)、リフレッシュミスト、カタチメイクミスト

清水
おしゃれ着、カジュアル服を問わず、お気に入りの服のお手入れをサポートしてくれるということですよね。洗濯以外にもお手入れをラクにしてくれる商品として登場したのがリフレッシュミストとカタチメイクミストでしょうか?

福本
はい。昨年販売を開始した2つのミストは、コンセプトである「MY CLOSET CARE」をよりサポートできる商品として、今まで以上にご自宅での衣類の悩みや不安を解消し、お気に入りの服を簡単に長く大切にケアできるようになっています。

スプレーするだけで、ジャケットやパンツなどの毎回は洗わない衣類のシワやニオイをスッキリさせることができます。カタチメイクミストはミストをかけて指で整えるだけで、衣類のプリーツやフリルなどのハリ・立体感を復活できます。

ブランドが伝えたい文脈に「北欧、暮らしの道具店」がフィットした

清水
ブランドとして、現在のコミュニケーションではどのようなことを中心に伝えていらっしゃいますか?

福本
ブランドのコンセプトでもある、お気に入りの服を長持ちできるようにして、おしゃれを楽しむ人を応援することをさまざまな方法で伝えています。

ただ、「長持ち」や「ずっと大切に着られる」といった文脈で伝えられる場所を見つけることが難しいと感じていました。

清水
それはどうしてでしょうか?

福本
お気に入りの服を長く着たい気持ちを持つ人は一定数いるものの、そうした人たちが集まっていて、その人たちにコミュニケーションをできる場所は、実はそんなに多くないと感じています。

ちょうどその伝え方ができる場所を探していたときに、清水さんからお取り組みのご提案をいただいて。私自身、「北欧、暮らしの道具店」を以前からアプリやLINEなどで知っていたのもあり、伝えたい文脈で伝えられる場としてフィットするのではないかと感じました。

清水
そのように言っていただけてうれしいです。今回、お取り組みの前に福本さんから伺っていた課題がありました。「エマール(洗たく用洗剤)がニット洗い専用だと認識されていることで、使用機会が限定されていること」「2つのミストが暮らしにどんな良さをもたらしているかを伝えたいこと」「お気に入りの服をケアできる特徴をサステナブルファッションをサポートしてくれる存在としてどのように伝えるかの方向性を見出したいこと」です。

こうした課題をクリアし、かつ商品の特徴と暮らしにもたらしてくれる価値を伝えるには、どのような内容が適しているのか。制作チームと話し合い、当店の記事にもたびたび登場いただいていて、ヴィンテージの洋服などを普段から着こなしているイラストレーターのよしいちひろさんに出演してもらうのがいい、と考えました。

よしいさんにお話を聞いたところ、すでにエマール(洗たく用洗剤)を愛用されていたので、商品を使いながら感じていることや、使っているけど知らないことなどをリアルな言葉で伝えてもらうのにぴったりだなと。そこで今回は2つの記事を制作し、1本目ではQ&A形式でエマール洗剤の誤解を解消し、2本目では、2つのミストのそれぞれの特徴や強みをよしいさんがお持ちの服をもとに表現しました。

福本さんは、お取り組みをされてどのような感想を抱いていますか?

福本
レポーティングで、記事の滞在時間がBRAND  NOTEの平均よりも長かったことをお聞きして、読者の方に最後までしっかり読んでいただいたことが伺えました。その結果をふまえて、「北欧、暮らしの道具店」で展開できたことが一番良かったと感じています。

それにはキャスティングや記事の構成がやはり大きかったと思います。洋服への愛着を強くお持ちで、おしゃれを楽しんでいるよしいさんに出演いただき、エマールを使用した感想を記事で伝えていただいたことで、エマールの「衣類を長く大切に着るために使うもの」という点にとても説得力が生まれました。

エマールで何ができるかといったことを伝えていただいたのはもちろんですが、そのできることが自分の暮らしにどんな良さをもたらしてくれるのか、まで落とし込んでいただけたと実感しています。

清水
記事のアンケートで集まった声でも、エマールについては「普段洗いに使えるとは思っていなくて驚いた」、ミストについては「朝アイロンをかける時間がないからミストでプリーツが戻るのはうれしい」などの声が集まっていましたよね。

何をどう伝えるか、BRAND NOTEで得たヒント

清水
今回、福本さんが抱えていた課題には今後のコミュニケーションのヒントを得たいというお話もありましたが、その点についてはいかがでしたか?

福本
近年、サスティナブルの言葉を耳にする機会が増えましたが、調査結果からもお気に入りの服を長く着ることへの意識が高まっていることが明らかになっています。

エマールが「サステナブルファッションをサポートしてくれる存在」でありつづけることは目指すべき姿の1つです。

その際、誰に、何を、どうやって伝えていくかがポイントになりますが、商品の強みと暮らしへの提案をセットで行う重要性など、今回のお取り組みで伝え方のヒントを得られたと思っています。

お気に入りの服を長く着たい人に、たとえばカジュアルな服は気軽に繰り返し洗うからこそ、ヨレてしまったり伸びてしまったりと、傷みやすい。そうしたカジュアル服にもエマールは使えるし、ヨレや伸びを戻せて長く着れますよというように、身近な課題にこそ価値を提案していきたいですね。

清水
私自身がそうでしたが、知っている商品なのに知らない機能があり、それを知ることができていつもの服も手軽に長く着れるケアできることを知れたのはとてもうれしく思います。そうした方を増やしていけるといいですよね。好きな服を長く着たい気持ちを後押ししてくれました。

福本
そうなんです。新規のお客さまを獲得する必要もありますが、すでにエマールを使っていただいている方にも、継続して手に取ってもらう必要もあります。「エマールがあるからお気に入りの服をきれいに長く着ることができる」。そう思って選んでいただけるよう、お客さまの洋服を大事にしたい気持ちをサポートできる商品でありたいですし、そうしたコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。