今回お話を伺ったのは、株式会社東急ハンズの営業企画部で、商品の販売促進を担当する藤澤さんと竹内さん。
2018年12月に「BRAND MOVIE」、2019年5月に「BRAND NOTE」、6月に「トークイベント」と、さまざまな形でお取り組みを行った東急ハンズのオリジナルスキンケアシリーズ「muqna(ムクナ)」。3つのタイアップでクリアできた、最大の課題とは? 聞き手は、クラシコムプランナーの中村です。|「北欧、暮らしの道具店」と、企業様とのタイアッププログラムである「BRAND NOTE PROGRAM」。お取り組み企業担当者様インタビューでは、お取り組みのきっかけやその後の反響などを伺っています。
「お客さまが求めるスキンケアってなんだろう?」。生活者目線で誕生した商品
——まずは「muqna(ムクナ)」が生まれた背景や商品の特徴について教えてください。
竹内さん(以下、竹内)
東急ハンズのビューティコーナーにご来店くださるお客さまは、自然由来や肌にやさしい商品を探している方がとても多くいらっしゃいます。
そういった声を聞くにつれて、「お客さまが求めているスキンケアってなんだろう? 私たちが自信を持っておすすめできるスキンケア商品を作りたい」という思いが強くなり、東急ハンズ初のオリジナルスキンケア商品の開発がスタートしました。
藤澤さん(以下、藤澤)
店頭で直接お客さまからご相談を受けるビューティコンシェルジュやバイヤーなどと意見交換をしながら出した答えは、「余分なものを落として、肌に必要な潤いを与える」という、とてもシンプルなものでした。名前の由来でもあり、コンセプトでもある「無垢な自分に戻る」を軸に誕生したのが「muqna」です。
竹内
スキンケアでもっとも重要なのは「保湿」です。muqnaは主に「セラミド」「ヒアルロン酸」「プロテオグリカン」の3つの保湿成分によって、肌に潤いを与えます。化粧水や乳液だけでなく、クレンジングや洗顔フォームにもこれらの成分を入れることにこだわりました。
——今回のお取り組みでとても共感したのが、コスパがよくて継続しやすい商品にしたいという思いでした。女性は結婚したり、子どもが生まれたりすることで、お金の使い道の優先順位が変わり、スキンケア商品にあまりお金をかけられなくなるから、と。
竹内
保湿は、化粧水が「もう肌に入らないな」と思うくらいまで何度も重ねづけし、その後乳液やクリームをプラスするのがおすすめです。しっかり保湿するために、コスパのいい400mlの化粧水をラインナップに加えたのもそのためです。
藤澤
現在、化粧水と乳液は50ml、160ml、400mlの3種類を展開していますが、旅行などにも携帯できる50mlのミニボトルで肌に合うか試した後、すぐに400mlをご購入されるお客さまも多いと聞いています。
竹内
毎日気兼ねなくたっぷりと、しかも家族みんなで使えることで、経済的にも精神的にも負担が減らせるのかなと思います。
——実は僕もオールインワンを愛用しています(笑)。男性が使っても違和感のないデザインもいいですよね。
タイアップを通じたメッセージの代弁が、課題だったコンセプトへの共感をクリア
——2018年の12月に販売をスタートしたmuqnaですが、これまでどのようなコミュニケーション戦略をとられてきたのでしょうか?
竹内
東急ハンズというと、文房具やDIYのイメージがありませんか? そんななか、新たなオリジナルブラントとしてスキンケアシリーズを立ち上げることは、ある意味冒険でした。「なぜ東急ハンズがスキンケア?」という、お客さまのクエスチョンをどうクリアすべきか、コミュニケーション戦略にはかなり悩みました。
藤澤
そこで、まずはハンズクラブにご入会いただいている会員さま向けにファンイベントを開催したり、店頭でサンプルをプレゼントしたり、直接のコミュニケーションを主軸に置くことにしたんです。
竹内
最初からたくさんの方に拡散するよりも、コンセプトに共感いただき、気に入っていただける方に届けられたらと。そこからじわじわ広がっていったらいいなと考えていました。
——弊社にお声がけくださった理由はどんなところにありますか?
竹内
以前、別の商品でご一緒させていただく機会があり、その時に「北欧、暮らしの道具店」さんと東急ハンズのお客さまには共通点があると感じていました。
特に今回のmuqnaについては、「無垢な自分に」と、「北欧、暮らしの道具店」さんのコンセプトである「フィットする暮らし、つくろう」には親和性があって、お互いのユーザーが目指している生活に近いものがあるのではと感じました。
誰かと比較するのではなく、まっさらな自分に目を向けて大切にするというmuqnaのメッセージに共感していただけるのではないかと思ったんです。
それで、店頭で流すイメージ動画を作ろうという話が持ち上がったときに、真っ先に浮かんだのが「北欧、暮らしの道具店」さんでした。
——ありがとうございます! 「BRAND MOVIE」のお取り組みをした後、「BRAND NOTE」のご依頼もいただきましたが、こちらも同じ理由からですか?
竹内
はい。それともう1つ、イメージ戦略という点で課題があると痛感していたことも大きな理由です。イベント開催やサンプルプレゼント以外にも、東急ハンズのwebマガジンで、開発秘話やビューティコンシェルジュのインタビューなど、発売してから月1本のペースで、muqnaを紹介する記事をアップしていました。
ただ、お客さまにもっとも伝えたい「コンセプト」を伝えられているのだろうか、と疑問を持つようになりました。
藤澤
弊社は商品機能を細かく打ち出すコミュニケーション戦略は得意なのですが、開発した商品の背景やブランド自体のイメージをいかに伝えるかという点において、大きな課題がありました。
最初は「東急ハンズのオリジナルスキンケアアイテムが出ました!」と打ち出していたのですが、お客さまにとっては「なぜ東急ハンズでスキンケア?」と、なかなか手に取っていただけるまでに至らない状況が続いたため、別の表現方法を模索していたんです。
——たしかに、東急ハンズさんの場合、生活の中の具体的な悩みを解決したいというお客さまが求めるニーズを考えると、コンセプトフルなメッセージは打ち出しにくいですよね。
竹内
そうなんです。もちろん、muqnaも商品を知っていただくことは大切ですが、それ以前にコンセプトや誕生した経緯、世界観を伝えることがとても重要だと感じていました。
「北欧、暮らしの道具店」さんにご協力いただいたことで、「商品のコンセプトや作り手の想いを理解してくれる方々に、手渡しするように情報を伝えていきたい」という私たちの思いが形になり、課題だった部分がクリアできたと感じています。
コンセプトが伝わり、「使ってみたい」や購入につながった
——弊社としてもうれしい限りですが、実際にどのような反応や反響がありましたか?
竹内
「BRADN NOTE」でアンケートをとっていただいたのですが、「使ってみたいと思った」という回答が本当に多くて驚きました。「生活者目線」という私たちの思いがお客さまにダイレクトに伝わる記事だったからだと思います。
藤澤
ハンズエキスポカフェで開催したトークイベントでの直接の反応やアンケートを拝見しても、多くの方々に興味を持っていただけていることが実感でき、ありがたい機会をいただきました。
トークイベントでは開発チームに誕生秘話やコンセプトを直接語ってもらったのですが、作り手の顔が見えたことがよかったというコメントもいただきました。
竹内
お米や野菜など食品関係ではだいぶ前から見られる方法ですが、化粧品も作り手の顔が見えるって大切なんだなと思いましたね。
実際に数字にも表れていて、当日イベントにご参加いただいた方に興味を持っていただけ、売り上げにもつながりました。
今回、3つの取り組みを通して、コンセプトがきちんと伝われば、使ってみたいというステップにお客さまを導くことができるという新たな発見が得られました。
そして何よりも、私たちが目指していた方向性は間違っていなかったと実感できたのと同時に、改めて商品に対して自信が持てたことは大きな収穫でした。muqnaをもっともっといろんな方に知ってもらいたいという気持ちが増しましたね。
——今後、新たに考えている展開はありますか?
竹内
これまで同様、お客さまと直接コミュニケーションをとる機会を大切にしていきたいと思っています。イベント開催もそうですし、東急ハンズは店頭が一番のメディアなので、お客さまとスタッフがよりコミュニケーションをとりやすくすることで、そこからまた商品のブラッシュアップができたり、ラインナップを増やしたりという展開も期待できると思っています。
今後も多くの方々に「体験」を通してmuqnaを知っていただき、長く愛用いただけるスキンケア商品に育てていきたいと思います。
「muqna」とのお取り組み内容は以下よりご覧いただけます
【BRAND MOVIE】もっと、もっとは必要なかった。「素の自分」に戻るためのスキンケア
【BRAND NOTE】夏の肌こそ “保湿” が必要。等身大の自分でいられる「スキンケア」って?
【イベントのお知らせ】東京・銀座にて「muqna」と当店によるトークイベントを開催します。
東急ハンズさまとの過去のお取り組み事例
【BRAND NOTE】DIY用品だけじゃない?東急ハンズで売れている、意外なアイテムのヒミツ
もう黄ばみでガッカリしない!洗濯時にできる「衣替え前」の簡単お手入れ方法
手帳コーナーだけじゃない?東急ハンズのバイヤーに聞く、意外な「手帳の選び方」
BRAND NOTE PROGRAMのお取り組み事例の一覧はこちらよりご覧いただけます。