【資料ダウンロード】既存顧客とのコミュニケーション、実は効率がいい?  カゴメ、ネスレ、キリンのファンとの関係

書き手 南澤悠佳
【資料ダウンロード】既存顧客とのコミュニケーション、実は効率がいい?  カゴメ、ネスレ、キリンのファンとの関係

株式会社クラシコムが主催となり、企業のマーケティング・プロモーション担当の方々に向けて開催している「クラシコムサロン」。2019年9月9日に、その第11弾として「『意思を持って選ばれ、選ばれ続ける』ブランドコミュニケーション」を行いました。

ゲストとしてお招きしたのは、各業界のトップマーケター。

「選ばれるブランドになるために、広告主はメディアとどう付き合うべき?」
「『選ばれ続ける』ブランドとファンとの関係を考える」
これらの2つのテーマについて、2部構成でたっぷりとお話しいただきました。

2部のゲストとして登壇したのは、カゴメ株式会社(以下、カゴメ)の水野慎也さん、元ネスレ日本(以下、ネスレ)の津田匡保さん、そしてキリンビール株式会社(以下、キリン)の原田桃子さん。

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社の徳力基彦さんがモデレーターを務め、「『選ばれ続ける』ブランドとファンの関係を考える」というテーマでパネルディスカッションを行いました。

その一部をお届けします。

———
徳力
では早速、みなさんがファンに「選ばれ続ける」ための取り組みとして行ってきたことを教えていただけますか。

津田
私は今年2月にネスレ日本を退社して、現在は株式会社ファンベースカンパニーのCOOを務めていますが、ここではネスレで実施したものについてお話ししたいと思います。

2012年に職場に無料でコーヒーマシンを貸し出す「ネスカフェ アンバサダー」というサービスを立ち上げ、サービスをよくするにはどうしたらいいか、ということをアンバサダーの皆さんと話し合いながらサービスを進化させてきました。

津田
それまでもブランドマーケティングはたくさん仕掛けてきたのですが、ネスカフェが本当に好かれる、僕らが言うところの“Most Loved Brand”になるためには、何かが足りないと感じていて。そこを埋めるためには、中長期的に時間をかけて土台を作る取り組みが必要だと思いました。ブランドって売ったらそこで終わりじゃない。お客さまにとっては買ってからお付き合いが始まるものですから、

数十人から始まったネスカフェアンバサダーの会員数は現在までに約40万人。私もこれまで何千人というネスカフェアンバサダーの方にお会いしてきましたが、「私がネスカフェを支えている」と本気で思ってくださる方がたくさんいらっしゃるんですよ。その段階までファンになってくれたのなら、メーカーとしてこれほど嬉しいことはないと思っています。

水野
私のいるカゴメは、ごく一部のヘヴィユーザーに支えられてきている、といってもいいかもしれません。「野菜生活」という野菜ジュースは継続して飲んでくださる2.5%のお客さまが、全体売上の30%を占めているんです。恐ろしい数字ですよね(笑)。

そういったファンの方の接点・拠点の一つとして2015年に立ち上げたのが、「&KAGOME」というファンコミュニティサイトです。お客さまにカゴメのことを知ってもらったり、一緒に体験したりしながら運営しています。会員数は3万人なのでさほど大きくはないのですが、投票や座談会、コメントの書き込みと言ったアクション率をKPIにしています。

ほかにも、現在19万人にまで増えた「ファン株主」という個人株主向けのファンプログラム、工場見学や社長と語る会なども積極的に開催して、コミュニケーションの場をつくっています。

原田
私はキリンで「本搾り」という缶チューハイ飲料を担当していますが、今はまだファンベースという考え方の入り口に立ったばかり。「本搾り」は2007年にキリンに移管されたのですが、当時から直近まではマス型のマーケティングが中心でした。テレビCMが中心となって、タレントさんを立てて交通広告やPRと連動させていくというような。

そんな風にパワーをかければ認知もカバレッジも上がりますが、やはり踊り場に突き当たるときが来ます。この方法ではこれ以上伸ばすのは難しい、というタイミングで「もう一度、本搾りらしいアプローチを考え直そう」と社内で検討しました。購入者層を分析したところ、お一人あたりのリピート率が高いということがわかったんです。

もう一つ、東日本大震災の影響で販売を休止した際に、お客さま相談口に「本搾りを復活させてほしい」という多数の熱烈なご要望をいただきまして。ほかのブランドと比べても、その声が群を抜いて多かった。「替えがきかない商品」として本搾りを選んでくださっていることを痛感した出来事でした。

そうしたことから、熱烈なファン、ロイヤルユーザーを大事にするためのマーケティング、ブランディングを今模索している最中です。

徳力
三者三様の取り組み方が伝わってきましたが、ちょっと意地悪な言い方をさせてもらうと、三社のビジネスモデルにおいてはマスのキャンペーンこそが主流ですよね。「釣った魚と遊んでないで、もっと新規顧客を連れてこい」なんて社内で言われることはありませんか?
———

記事の続きは、以下リンク先でダウンロードいただけるイベントレポートでお届けしています。


※ダウンロードには必要事項の入力が必要となります

他にもダウンロード可能な資料はこちらよりご覧いただけます。
BRAND NOTE PROGRAMのお取り組み事例の一覧はこちらよりご覧いただけます。