株式会社クラシコムが主催となり、企業のマーケティング・プロモーション担当の方々に向けて開催している「クラシコムサロン」。2019年9月9日に、その第11弾として「『意思を持って選ばれ、選ばれ続ける』ブランドコミュニケーション」を行いました。
ゲストとしてお招きしたのは、各業界のトップマーケター。
「選ばれるブランドになるために、広告主はメディアとどう付き合うべき?」
「『選ばれ続ける』ブランドとファンとの関係を考える」
これらの2つのテーマについて、2部構成でたっぷりとお話しいただきました。
1部のゲストとして登壇したのは、UCC上島珈琲株式会社(以下、UCC)の石谷桂子さんと、カルビー株式会社(以下、カルビー)の松本知之さん。株式会社Moonshot代表・菅原健一さんがモデレーターを務め、クラシコム代表・青木も交えてパネルディスカッションを行いました。
その一部をお届けします。
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菅原
今日のテーマは「選ばれ続けるブランドコミュニケーション」ですが、「そもそもマーケティングやブランディングって本当に必要?」と内心では疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。UCCの石谷さんはどう思われますか。
石谷
私は前職がP&Gなのですが、入社したときからずっと「ブランディングこそが一番大事だ」と教わってきました。皆さんご存知かもしれませんが、ブランド(brand)の語源は“Burned”、牛などの家畜に焼き印を押して区別する、という意味から生まれた言葉なんですね。
情報も物もあふれている今の時代、差別化要素という意味でブランドを育て上げることは非常に重要です。マーケティングはそのための方法論。お客さまにブランドを受け入れてもらうために、マーケティングがある。私は常にそう考えています。
菅原
カルビーの松本さんは、ブランディングの意義をどのように捉えているのでしょうか。
松本
私の場合は、結構シンプルに捉えていまして、ブランディングとは「誰かに好きになってもらいたいこと」、と思っています。お客さまに好きになってもらう、その気持ちを作ることが私たちにとってのブランディングです。
カルビーのポテトチップスは来年で45周年を迎えるロングセラー商品です。これだけ長く続く商品ともなると、社内でも「あって当たり前」のように扱われてしまいがちなんですね。歴史が長いがゆえに、「好きになってもらう」努力が薄まってしまうこともある。
それが浮き彫りになったのが、2016年に起きた大事件です。相次ぐ台風被害で北海道の畑のジャガイモが収穫できなくなり、ポテトチップスが販売休止に追い込まれてしまった。カルビーのポテトチップスという商品が市場からほとんど消えてしまったんです。私は入社25年目ですが、あのような事態は3年前のあの一度きりです。
ただ、あの事件によっていろんなことも見えてきました。たとえば、販売休止がニュースになった当時のSNSで「え、ポテトチップスって生のジャガイモからできてるんだ」という声があったんですね。私からすると「ウソでしょ!?」なのですが(笑)、若い世代のお客さまには「成型チップス」との区別がついていなかった。つまり、ブランディングが足りていなかったんです。そういったことを考えさせられるきっかけになりました。
菅原
では、ブランドをしっかりと育てていくために、UCCとカルビーでは具体的にどのような施策を実施してきたのでしょうか。
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