2022.08.05

株主、投資家の皆さまへ

代表取締役社長 青木耕平
株主、投資家の皆さまへ

私たちは2006年に創業して以来、「フィットする暮らし、つくろう」というミッションを掲げ、顧客の「自分らしいと感じ、満足できる暮らし」づくりのお手伝いをしてきました。またその活動を通じて、携わる経営者、従業員、パートナー自身も自らの人生をそのように感じられるような事業のあり方、組織のあり方を模索してきました。

私たちが夢想し、希望するのは自分達を含めた多くの人が自身の人生を「フィットしている」と感じながら居心地良く暮らす人が増え、結果的に社会全体の居心地がより良くなることです。まさにそのような社会の実現の一端を担うために当社は存在しています。今回上場するにあたり、このミッションを共に追求していく仲間=ステークホルダーとして株主の皆さまを迎えられることをとても嬉しく思っています。

このメッセージを通じて株主の皆さまや、株主になることを検討されている投資家の皆さまに、これまで外部の株主を持たないプライベートな会社として成長を重ねてきた当社が、なぜ広く株主の皆さまを迎えるパブリックカンパニーになる道を選んだのか、また当社がどのような経営を志向しているか、迎えた株主の皆さまとどのようにお付き合いしていこうとしているのかについてもご説明したいと思います。

1.私たちはなぜ上場したのか

結論から申し上げると今後10年、20年、30年という時間軸でミッションを追求していくために最適であろうと考えたからです。その理由は3つあります。

1.)ミッションを果たしていくためには持続的成長が必要であり、そのための必要資金をIPO時に調達するため。また中長期的には必要な時に資金を資本市場から調達する選択肢を持つ会社であるため。

2.)この先いつの時代も創業者の血縁であるかに関わりなく、当社が掲げるミッションや世界観に最も共感し、体現している適切な人物が経営にあたれる会社であるため。同時に当面の間は創業者がオーナーシップを維持して強力に成長を牽引し続けるため。

3.)これまでも共に歩んできた顧客や取引先、従業員に続いて、投資家という資本主義社会において重要な責任を担う方達にも適切なインターフェースを用意し、当社のミッションに共感するより多くの方が関わりを持ち、共にミッションを推進する機会を提供するため。

2.当面の経営方針

当社は経営方針として「自由」「平和」「希望」という3つの観点から磨き上げられた企業を目指すことにより、不確実性の高い世界の中で長期にわたって健やかにミッションを追求してきました。

「自由」とは他者からミッションの追求を阻害されることを防ぎ、必要なことだけを真っ直ぐに実行するための自由を確保すること。

「平和」とはユニークかつ堅牢なポジションを築いて望まない競争に巻き込まれないようにすること。

「希望」とは今日より明日、今年より来年より大きな果実が得られると自然に希望できる「蓄積と複利」が効くタイプの取り組みにフォーカスすること。またトレードオフの選択を求められる状況でどちらも捨てないオルタナティブな選択肢(=希望)を生み出すこと。

私たちは前述したようにミッションをより深く、広範に追求していくためにも量的にも質的にも成長を強く志向しています。ただしそれはより「自由」で「平和」で「希望」のある企業になるというベクトルに沿っていることが必須であると考えています。そしてそのベクトルで積み上げ、磨き上げていけば結果的に売上や利益は中長期にわたって成長し、より確実に企業価値は向上していくものと考えます。そのために「売上」や「利益」という「結果」を目指すのではなく、「結果」をもたらす正しい「フォーム」としての「自由」「平和」「希望」を追求し、正射必中の経営を志向していきます。

3.株主の皆さまへの約束

私たちはこれまでも会社を支えてくださるステークホルダーのみなさまと長期的な信頼関係を構築することを最も重要な責務と考えてきました。

新たにステークホルダーの輪に加わって下さる株主の皆さまとも長期的かつ良好な信頼関係を築いていきたいと考えています。そのために私たちが株主の皆さまに対して果たし続けていく約束を3つさせていただきます。

1.)ミッションの追求にとって最善の意思決定を積み重ねます。
「フィットする暮らし、つくろう。」というミッションを推し進めるために当社は存在しており、事業活動を通じて自分の暮らしを自分らしいと感じて満足している人を増やし、同時に社内の仲間達が自らの仕事を通じて自分自身の暮らしをフィットするものに近づけていける状況を実現するために最善の意思決定を積み重ねてまいります。

2.)フェアディスクロージャー・ルールに基づいて真摯かつ公平に説明責任を果たします。
どんな状況でも事業の重要な情報を迅速かつ正確に、また全ての株主、投資家の皆さまに対して公平に説明責任を果たします。また株主の皆さまと丁寧な対話を続けることによって、皆さまの経営方針や経営状況へのご評価がどのようなものであるのかを正確に理解し続けられるよう心がけてまいります。

3.)TSR(Total shareholder return)の観点からフェアに株主還元します。
事業が生み出した果実を、成長のために再投資して事業価値向 上を図ることだけでなく、適切なタイミングにおいては自社株買い、配当という形で直接的に株主還元していくことも積極的に実施してまいります。投資してくださった株主の皆さまがフェアに経済的なリターンが得られる状況をつくることを経営陣の重要な責務と捉えて真摯に取り組んでまいります。

またそのような約束が確実に守られ続けていくためにも、上場企業として求められる高いレベルのコーポレートガバナンス体制を維持し磨き上げていくことにしっかりと取り組んでまいります。

パブリックカンパニーとして、新たに株主の皆さまを仲間にしてミッションに向かってより力強く向かっていくクラシコムのこれからにぜひご期待ください!